「はい!深夜くんは恋人とかいるんですか!」

 

「ねぇねぇ、なんで執事になったの?」

 

「深夜くんは甘い物好き?もし良かったら今度私と一緒に、カフェ行かない?」

 

(深夜くん、大丈夫ッスかねぇ)

 

ユカ神とカス神、クズ神に囲まれて質問攻めされている深夜を、少し離れた席からリピート神は心配げに眺めていた。

 

その隣で、同じように神々と深夜の様子を見ていたブログ神はちらりとリピート神を見る。

 

「心配なら声掛けてやればいいのに」

 

「そうなんスけど、よく考えたら深夜くんとは殆ど話したことないんスよね…」

 

はぁ、と溜め息を吐く友人から視線を外すと、「ふーん」とまた深夜たちの方をじっと見た。

 

ゲドウ神が可愛がっているという、神視の才を持つ青年。

 

以前、彼女から深夜とその兄妹たちの話を聞き、何となくだがリピート神は深夜のことを苦手に思っている節があるような気がしていた。

 

しかし今回の特殊な御茶会で、苦手なのではなく、単にゲドウ神が深夜の面倒を見ていたからちゃんと関わる機会がなかっただけだとわかった。

 

深夜が神を視るようになったのは最近のことだ、ゲドウ神とは違いリピート神が距離感を掴めないでいるのはある意味仕方がないのかもしれない。

 

(けど、あの子は人間だし急に俺たちみたいなのが視えて、リピート神以上に戸惑ってるだろうな。ここはこいつが頑張った方が良さそうな気がするんだけど)

 

一人頷くと、ブログ神は突然、深夜に向かって

 

「おーい、深夜くん。リピート神が呼んでるよー」

 

呼び掛けながら手招きした。

 

「ちょ、おま…俺の話聞いてました?」

 

「聞いてた聞いてた。いい機会だし、話してみたら?」

 

「いや、でも…」

 

「つべこべ言わず、話す。ほら、深夜くん来たぞ」

 

まるで、新しいクラスでなかなかクラスメートに話しかけられない友人の背中を押しているような気分だ、なんて思いながらブログ神は内心で苦笑する。

 

ブログ神に呼ばれて来た深夜は二人の傍まで来ると、首を傾げた。

 

「リピート神さん、どうしました?紅茶のおかわりですか?」

 

「え、っと…いや、深夜くん大丈夫かなって…ほら、お孫様たちに質問攻めされてたから」

 

「ん…心配してくださったんですか?ありがとうございます。僕なら大丈夫ですよ」

 

「そうッスか。なら良かったッス。…けど、流石にちょっと疲れたでしょう?こっちでちょっとの間ゆっくりしませんか?」

 

ゲドウ神を前にしたときよりもどこかしどろもどろになっているリピート神の肩にそっと手を置き

 

「そうしなよ、その間俺はあのお子様たちの相手してくるは」

 

ブログ神は、ユカ神たちの元へ行った。

 

それから暫くして、何故かホラー映画の鑑賞会を始めた神たちはエンド神のローブを掴んで震えつつ、ふとリピート神と深夜が仲良く紅茶を飲みながら映画を観ているのを見て小さく笑った。

 

――(いい感じですね、ブログ神!)

 

――(ん、そうだな)