ある日の朝。
「兄さん兄さん、この子怪我してるみたいなんだけど…」
柘榴の苗木に水を与えていたルトの元に、両手に白いものを抱えたルカが駆け寄ってきた。
「木から落ちたのかな…」
不安げにぐったりとしたそれを見下ろすルカの手の中を覗き込むと
「これは…梟の子だね。木から落ちたのかはわからないけど、これくらいの怪我ならすぐによくなるよ」
ルトはポケットから薬草で作った塗り薬を取り出し、梟の羽根に塗っていく。
「うん、とりあえずこれで大丈夫だと思うよ。部屋に連れて行って、寝かせてあげよう」
「そうだね、この子寝かせてくる…!ありがとう兄さん!」
ルカはこくこくと頷いて、寝室へと走っていった。
そんな弟の背中を見送ると、ルトは水やりを再開しながら呟く。
「梟って確か、賢いんだっけ」
以前読んだ本に、そう書いてあった。
「賢いなら、言葉も覚えられるかな?」
ふふ、と笑うルトを、薔薇の精だけが静かに微笑んで見ていたのだった。