序章

 

 

 

マンションの一室。

 

ベランダに置かれた、長方形の植木鉢に植えられた紫色の花に水をやり終えると、白く長い髪の男は目を細めて微笑んだ。

 

「今年も綺麗に咲いたよ、テオ」

 

遠い昔に別れた、亡き友に報告するように呟くと、男は空っぽのジョウロを植木鉢の側に置いて室内へと戻っていった。