とあるマンションの一室。

 

「本当あなた可愛いわ、お人形さんみたい」

 

「髪も目も、とても綺麗で天使みたいだな…」

 

「ありがとう、ございます…紅茶神様も、サカダチ神様も、とても綺麗…」

 

「あら、ありがとう」

 

「……手を出してごらん。おじいちゃんがお小遣いをあげよう」

 

紅茶神とサカダチ神にはさまれる形でソファーに腰掛けているアルビノの少女――日暮は二人の神に撫でられながら、正面にいるゲドウ神を見た。

 

日暮から視線を受けると、ゲドウ神は口元に笑みを浮かべて「うちの末っ子を気に入っていただけたようで、何よりです」と紅茶を啜る。

 

神々の御茶会とは別に、紅茶神の部屋で定期的に開かれる御茶会。

 

いつもは紅茶神、サカダチ神、ゲドウ神の三人でひっそりやっているのだが、前回の神々の御茶会時にリピート神とユカ神が

 

「アダルト組が御茶会やってるなら、その時間帯はアダルト組以外のメンバーで御茶会をやってみるとかどうです?面白そうじゃないですか?」

 

「あー、いいんじゃないッスか?紅茶は俺が用意すればいいッスよね、その場合」

 

「うーん、それじゃあ面白味に欠けますね…あ!深夜くん、でしたっけ?その子にお願いしてみては?というかいっそ深夜くんもメンバーに加えちゃったらいいと思うんですけど」

 

「深夜くんッスか…次の、先輩たちの御茶会の日に深夜くん誘っちゃうと、日暮ちゃんの面倒を見る人がいなくなるんスよね」

 

と、こんな会話をしていた。

 

日暮の性格上、大人数の場所に深夜と同席させるよりも、アダルト組の方で面倒を見た方がきっと彼女もゆっくり出来るだろうと、こうしてゲドウ神が日暮を連れてきて今に至る、というわけだ。

 

(たまにはこうして、外の者と交流をさせるのも良いかもしれませんね)

 

ゲドウ神はタルトやマカロンを二人の神に勧められて若干あたふたしている日暮を眺めながら、思う。

 

「………」

 

何事かを考えているのであろうゲドウ神をちらりと見たサカダチ神は、日暮の向こう側にいる紅茶神に視線を送った。

 

紅茶神もゲドウ神の様子には気付いていたようで、サカダチ神と視線を合わせると小さく微笑み、ぱちんとウインクをしてみせる。

 

――(人の子の前では、いつもより雰囲気が柔らかいね)

 

――(ええ、そうね。まるで、この子たちの本当のお姉さんみたい)