「日暮ちゃーん、おやつの時間ッスよー」

 

午後三時。

 

霧谷家の廊下に赤髪の青年――リピート神の声が響いた。

 

日暮の兄たちは仕事に、ゲドウ神はクズ神、カス神の相手をしに出ていて今家にいるのはリピート神と日暮だけだ。

 

別に何もしなくてもいいのだが、こういう日は深夜たちに代わって日暮の世話を焼いている。

 

だからなのか、数年前はゲドウ神にべったりの日暮だったが、今はリピート神にも懐いていた。

 

リピート神が彼女を呼んで直ぐ、自室からのろのろと出てくると日暮は眠そうに目をこすった。

 

「眠そうッスね、おやつ食べたらお昼寝するッスか?」

 

「ん…する…」

 

こくりと頷くと、リピート神のあとについてリビングに入っていった。

 

 

***

 

 

「…ゲドウの神様は…いつ、帰ってくるの…」

 

ソファーの上で膝を抱えて座り、紅茶を飲みながら日暮は隣でクッキーをかじっているリピート神に訊ねた。

 

「多分、夕方には帰ってくると思うッスよ」

 

「そっか…」

 

日暮はそれ以上何も言うことなくテーブルに空のティーカップを置くと、それを横目に見ていたリピート神はティーカップを洗いに行こうと腰を浮かせる。

 

すると、彼の服をくいっと軽く引っ張り、眠そうな目で見上げた。

 

「どうしたんスか?」

 

もう一度ソファーに座ると、リピート神は柔らかな声音で問いかける。

 

「神様…ひざまくらー…」

 

眠気が限界なのか、日暮は服を掴んでいた手を離すと彼の膝に頭を乗せて目を閉じ、ものの数秒で寝息を立て始めた。

 

「あはは、昨日夜更かしでもしたんスかね?おやすみなさいッス」

 

彼女の頭を撫でてやりながら、リピート神はゆるりと微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

「ああしていると兄妹みたいね」

 

先程から二人の様子を窓の外から眺めていた紅茶神は、クスリと笑ってゲドウ神を探しに東へと飛んで行った。