夕食を終え、夜明がリビングでテレビを観ながら寛いでいたときのこと。

「お風呂、空きましたよ」

風呂から上がってきたらしい深夜が、廊下で妹のどちらかに声を掛けているのが聞こえてきた。

特に気にも留めずテレビ画面をじっと見ていると、ふと隣に人の気配を感じる。

目線だけを動かすと、深夜が肩にタオルを掛け隣に座っていた。

「兄さん、ちゃんと拭かないと風邪引きますよ!」

兄の濡れた髪を見て慌てて立ち上がると、タオルを引ったくるようにして取り頭をわしゃわしゃと拭き始めた。

「んん、風邪を引いたらその時はその時ですよ」

ふふ、と笑いながら大人しく頭を拭かれている兄の様子に頬を緩めつつ、タオルを置いてドライヤーの電源を入れる。


***


数十分後。

兄の髪を乾かし終え、二人でオセロをしていると

 

 

姉妹一緒に風呂に入っていたのだろう、真昼と日暮がほぼ同時にリビングに入ってきた。

「御前達もか…」

夜明は妹達をチラリと見ると、溜め息を吐いて彼女達をソファーに座らせタオルを構える。

「じっとしてろ、髪乾かしてやるから」

「きゃはは、夜明たんおかんみたい」

「誰がおかんだ」

「頭が…揺れるー…」

「嗚呼、日暮が可愛い辛い…じゃなくて、しっかり乾かさないと風邪引くぞ」

「今日も平和ですねぇ」

弟達の様子を、少し離れた場所から眺めていた深夜は微笑んだ。

彼の呟きが彼等に聞こえていたかは、分からない。