先週、車で10分程のスーパーに久々に行ってみると、入っている書店が9月中旬の「閉店のお知らせ」を掲示していた。残念だなぁ、と思ったけれど、前回寄ったのはいつだったろう?とも。私が探す本は大抵「取り寄せ」になるので、殆んどネットでの購入になっている。でも、雑誌やコミックのコーナーにはいつも何人かの人がいたように思ったのだが。ふと閉店前に今までのご挨拶と、今度観劇する「雨あがる」の山本周五郎の原作を探して購入した。

家に帰ると、ポストに劇団前進座の広報が入っていた。開幕間近の「雨あがる」の特集で三沢伊兵衛を演じる早瀬栄之丞さんは「原作をお読みの方は是非忘れて下さい!映画も忘れて下さい!」と書かれていた。「今回は歌手の松原健之さんにも出演頂くこともあり原作とも、映画とも、五十一年前の公演とも違う盛り沢山な内容の新しい『雨あがる』をお届け致します。」と!

せっかく購入した本、読まない方が良いのか?忙しさもあり、テーブルの上に置いた本の事は忘れてしまった。本を開いたのは1日後の深夜。「眠くなるまで」と思ったけれど短編、一気に読んでしまった。その夜、夢現で描いていた私の伊兵衛のイメージは、映画で見た寺尾聰さんではなく、何故か藤田まことさんだった。しばらくして、藤田まことさんの唄う「夜のララバイ」の歌詞のせいだと思い始めた。「優しいだけでは 生きられず つよくなるだけ こころがさむい~♪」(作詞・五木寛之、作曲・弦哲也)「雨あがる」とは全く関係のない歌だけれど、優しさを唄った良い曲だ。今度の松原健之さんが唄う「悲しみの旅人よ」(石原信一・作詞、浜圭介・作曲)がまた良い。「~優しさよ 壊れるな 痛み知る 君ならば~♪」のフレーズに泣ける!

前進座の皆さんが見せて下さる新しい「雨あがる」、とてもとても楽しみだ。