私は動物や植物の生態の映像を見るのが好きで、NHKの「ダーウィンが来た」や「ワイルドライフ」等、よく見ている。今日はスペシャル番組で、冬の上高地で魚を捕って食べるニホンザルを追っていた。生きた魚を捕らえ、食べる様子が撮影されたのは世界で初めてらしかった。標高1,500mという上高地の厳しい冬。そこで野生のニホンザルが見つけた生きる術の1つだろう。

たぶんオーストラリアだったと思うけれど、早朝の電車で私と夫が日本人と分かったらしい男性から「温泉に入る猿」の事について話しかけられた事がある。雪と湯けむり、温泉に浸かり、気持ち良さそうに目を閉じる猿たちがとても可愛いと言っていた。今日の番組を見ていて、ふと世界中で知られているあのスノーモンキーたちは、温泉に浸かっている間は暖かくて幸せだろうけれど、冬の間、いったい何を食べているのだろうと思った。餌付けされているのかもしれないが、湯に浸かっているだけでは生きて行けない。

鳥たちは「渡り」で越冬地へ向かい、暖かくなると北へ戻る。「渡り」も命がけだろうけれど、羽のない動物たちの冬越しは、なんだか悲惨ささえ感じる。人里近くで暮らす猿たちは畑を荒らしたりして人間とトラブルになる事も多いが、冬の上高地のように人里から隔絶された処で冬を越す猿は自力で食料の調達を考え出したらしい。知恵の使い方の違いか。魚を捕る猿がどの位いるのかは、これからの観察、研究という。長い時間をかけて親から子へ伝わり、やがて上高地の全ての猿が魚を捕るようになるのだろうか?おもしろい!