「缶ビールだらけじゃん。ずっと飲んでたの?」
愛理は、テーブルの上に転がった空き缶を見て言った。
『……………うん』
「ねえ理、何があったの?」
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寝室に移動してベッドに座り込んだ僕は、彼女に事の経緯を話した。
「そっか……………」
『情けないよな……………君は、俺なんかよりずっと過酷な世界で、俺なんかよりずっと大変な思いをしてここまで頑張ってきたのに。俺の大変さなんて、君に比べれば全然屁でもないのに。なのに……………』
その瞬間、僕の視界が真っ暗になった。彼女に抱きしめられたのだ。胸に、柔らかい感触があった。
「いいんだよ?私の前では」
『……………』
「思いきり泣いていいよ。私はサラリーマンじゃないから、仕事のことはわからないけど、理の気持ちはわかってあげられると思うから」
『愛理……………』
「理が私にずっと優しくしてくれたから。理は私にとって、本当に大切な人だから。だから私も、理にとっての大切な人になりたいな…………」
その後僕は、子どものようになって泣いた。30手前の男が18歳の女の子の腕の中で泣くなんて、側から見れば変態とか、頭がおかしいと言われても仕方がないかもしれない。それでも僕は涙が止まらなかった。彼女は笑みを浮かべながら、僕の頭を撫でてくれていた…………