2人によるダンス中、生徒たちはただ無言で2人の動きを見つめていた。小さな体でアクロバティックな動きを見せる鈴本、長い手足をめいっぱい生かした表現力が売りの織田。この正反対な2人が、ダンスになると見事にマッチするのだから不思議だ。

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デモンストレーションの後、2人による実技指導に入ったが、最初に行われたのは、いつも以上に時間をかけたストレッチだった。ケガを未然に防ぐためには欠かせない工程だが、身体が硬くダンスも苦手な明里にとってはこの時間が既に苦痛だった。

明「いてててて………」


ーーーーーーーーーーちょっと、大丈夫⁉︎


やたらとオーバーなリアクションでやってきたのは、鈴本美愉だった。

明「鈴本さん………」

鈴「美愉、でいいよ。名字で呼ばれると、どうもかしこまっちゃってさ」

明「美愉さん」

鈴「うん。どうしたの?」

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鈴「そっかぁ。ダンス、あんまり好きじゃないんだ」

2人で並んでストレッチをしながら、明里は美愉に話した。

明「はい………わたし、体も小さいし、硬いし………」

鈴「………そんなこと言われたら、あなたより背が低い私の立場がないんだけどなぁ」

明「あっ⁉︎すみません!」

鈴「冗談だよ。正直に話してくれてありがとう」

明「………すみません。せっかく来ていただいてるのに、こんなこと言っちゃって」

鈴「全然だよ。私も、子どもの頃はダンスなんて嫌いだったからさ」

明「えっ⁉︎」

鈴「私、小学2年生でダンスを習い始めてさ。最初は嫌々レッスンに行ってたんだ。中学はダンス部がなかったから、中学でもレッスンに通い続けたの。高校に入って、ダンス部の勧誘を受けて部活見学に行ったんだけど、みんなすごく楽しそうに踊るのよ。一瞬で虜になった。ずっとダンスをやりたいって。私、やっぱりダンスが大好きなんだ、って」

明「……………」

鈴「もっとステップアップしたいと思って、この学校に入って。そこでオダナナに出会ったんだ」

明「そうだったんですか………」

鈴「水と油みたいな感じだったのに、ダンスを通したらびっくりするくらい息が合ってね」

明「……………」

鈴「ほら、ストレッチの続きやるよ、明里!」

明「…………はい‼︎美愉さん‼︎」