「・・・・赤ちゃん・・・・か・・・・」
〔ゴールド・スロット〕 杉山 真
俺、白波大介は、今日もパチスロで大勝だ。人は俺のことを奇跡の右腕を持つ男と言う、どんな台でも関係なく出るからだ。秘密だが、俺には設定なんて関係ない何故なら、俺はマシンと会話できる、いや正確にいうと命令できるからだ。簡単にいうとビッグボーナスと命令すれば、即座にビッグが成立する。負けるはずがないのだ。言っておくがケチなゴトなどではない、神が俺だけに与えてくれた能力なのだフラグの成立を願い、ただ漫然と、時には鬼気として必死にレバーを叩く餓鬼どもとはワケが違う、勿論、目押しも完璧だ、ビタ押しだってド楽勝、ただし目押しスキルを要するようなことはない、俺にとって小役のとりこぼしなど些細なことだから大抵いつもフリー打ち。今日もいつもどおり、ノルマというより自分自身が設定している上限の5000枚を数台で抜き終わった、一台で派手に抜きすぎると目立ってしまうからだ。時間は15時過ぎ、換金を終え家路につこうとしたその時、換金所の角を曲がったところで五人の男達が待ち伏せしていた。しまった、俺は男達に気づいた。目をつけられてたのは知っていたが、こんな明るい時間に仕掛けてくるとは・・ そこへ、金髪で中肉中背の四十歳くらいの男が現れた。そして、俺の行く手を阻もうとしていた男達をあっという間に倒していく
「助かったよ、ありがとう。あ・・キャンユースピークジャパニーズ?」
俺は金髪の男に話かけてみた
「日本語で大丈夫さ、それより礼ならこちらのレディに言ってくれ」
男の横を見ると、小柄な美しい少女が立っていた。本当は、少女ではなかったが、とても可憐で淡い少女のように見えた。
「あんたが、俺を?」
「えぇ、大介、礼がしたいというのなら、助けて欲しいことがあるの」
(なんかうさんクセェーな、面倒はゴメンだ。しかし何故俺の名前を知っている?)
「紹介が遅れたわね。私は、魔女リトル・ママ。彼は、ベニー。私の用心棒よ」
「魔女か、凄いね。あんた頭大丈夫かい?俺、用事あっからサイナラー」
「待って大介、『ゴールド・スロット』って知ってる?」
アングラ事情に詳しいものなら、一度は聞いたことがある幻のマシンだ。
「あァ、聞いたことはあるぜ、有効1ラインのマシンなんだろ?ノーフラグで777が揃う代わりに、超高速でリールが回転し余裕コマ数はゼロ、一枚十万相当の純金のコインが一撃で十万枚出てくるという。まァ、馬鹿げた伝説だね」
「もし、伝説でなければ、挑戦して見る気はない?」
リトル・ママは俺の顔をのぞきこみながらそう言った。
俺は背中がゾクッとした。不意に・・・・・なぜだか急に眠気がした。
・・・・俺は悪い夢を見たのか・・・
目が覚めると目の前に赤ん坊がすやすやと眠っていた。後ろから左肩を誰かが叩いた。振り向くとベニーが笑っている、やっぱり夢じゃない
「あんたの子供か?」と俺が聞くと
「リトル・ママの娘だ」とベニーは答えた。
「可愛いでしょう」とリトル・ママが微笑んだ。
「つーか、俺になんかしたのか?」
「ゴメンね、話が長くなるんでちょっと魔法で眠ってもらったの」
「へー、魔法でねぇ・・・まあ今んとこアンタは魔女だってことにしとくよ・・で?この赤ん坊がなんか関係あんのか?」
「この子は、七年前、私と敵対している悪魔にゴールド・スロットという呪いをかけられ、それ以降ずっと眠ったままなの、娘の夢の中に封印されたゴールド・スロットで777を揃えることが出来れば、呪いは解かれ、この娘は目を覚ます・・・」
幻のゴールド・スロットが、まさか赤ん坊の夢の中に封印されていたとは。
「俺にゴールド・スロットに挑めと?」
「大介は、奇跡の右腕を持つ男と聞いているわ」
「もし、失敗したら?」
「私と、この娘、ベニー、それに大介あなたも命を失うことになる」
「そりゃないぜ。俺は降りる。そもそもはじめっから乗ってねぇけどな・・」
次の瞬間、ベニーの回し蹴りが俺を襲った。顔面に激痛が走り、鼻から血がしたたり落ちた。
「・・・汚いぜ、俺に選択の余地はないってことかよ・・・」
「お願い、私の娘を救って、大介」
リトル・ママは哀願する。リトル・ママの瞳からポロポロと涙が流れ落ちる。
「ちっ・・・こういうの、俺、弱いんだよな・・・」
ベニーが叫んだ。
「大介、やるのか、やらないのか?やって成功すればお前の命は保障される。やらなければ、俺がお前をこの場で殺す!」
「そんなもん、やるしかねぇだろ!」俺も叫んだ。
「ありがとう」リトル・ママが言う。
「で、どうやってこの子の夢の中に入るんだ?」
リトル・ママは、両手を合わせ、静かに呪文を唱え始めた
・・・・ピース・オブ・セブン・・・・ピース・オブ・セブン・・・・
辺りが銀色に輝き出し、赤ん坊の体が黄金の眩しい閃光を放った。気づくと俺は真っ白な四角い部屋にいた、見回すとベニーとリトル・ママもいた。
「ここは、どこだ?」
「私の娘の夢の中よ」とリトル・ママは言った。
「へー、アンタ本当に魔女だったんだ・・てことは命賭けってのもマジなんだな・・」「最初からそう言ったはずだ、さて、大介、実力を見せてもらうぜ」
とベニーは、部屋の右隅に置かれたスロットの筐体の左に大きなハンドルがついたような箱の隣に立った。
「さっき、オマエが知っていたゴールドスロットの情報で少し補足しなければならないことがある。リールが超高速で回転するってのは当たっていたが、その他の特徴についてだ」
「なんだよ、その他の特徴ってのは?」
「いいか、よく聞けよ!レバーを叩きストップボタンでリールを三つ停止させるってのは普通のパチスロと同じ要領だ、だが、第一停止から第三停止を終えるまでに許される時間はジャスト1秒しかないんだ、そして中リールだけは逆回転するんだ」
「なっ・・なんだってぇー」
「どうだ?やれるか?いや、ここまで来たらやってもらうしかないんだ!」
「やるしかないんだよな・・・でその箱がそうなのか?」
「いや、これはリトル・ママが魔法で作り出した練習用だ、ただリールの動力は俺、つまり人力だがな、ハハハ・・とは言っても本物とほぼ同じスピードで回すことは出来る」
「そうか、よしっ、じゃあちょっと回してみてくれ」
「じゃあいくぞ!上の赤いランプが点灯している時が本物とほぼ同じスピードで回転している時だからな!」
そう言うとベニーは渾身の力を込めてハンドルを回し始めた
「・・・おい、まだランプつかねぇぞ!壊れてんじゃねえのか?」
「どうだ大介、オマエ今、リールの柄は見えているか?」
「ああ、当然だ!」
確かに通常のモノより相当早いがなんとか見えていた。
「そうか、流石だな!だがこれで本物の半分程度ってとこだぞ」
「・・なんだって?」俺は焦った、これで半分だとっ?
ベニーは滝のように汗を噴き出しながら言った
「そろそろギア上げるぜー」
ギューンギューンと唸るような音とともにリールの回転速度は上がっていき、ついにランプが点灯した。
「どうだっ?大介見えるかっ?」
俺は身震いした、こんな・・こんなとんでもないマシンを相手に命を賭けて勝負に挑まなければならないのか・・・しかし、やるしかないんだ・・・
「おい、リトル・ママここでやっぱやめたは無理なんだよな?」
「その通り、この部屋に来てしまったからには777を停止させない限り私達に脱出する術はないわ」
「やっぱ、そうか・・よしっ、俺も奇跡の右腕を持つと呼ばれる男だ、やってやらぁ!」「大介、よく聞いて、その練習マシンは7回しか使えないの、この部屋では私のチカラも制限されてしまって、動力をベニーに頼ってもそれが限界なのよ、だからその7回でなんとかコツを掴んで!」
「7回ね・・・さすがの俺でも結構キツイな・・・」
そう言って俺はマシンの前に立った。練習用とはいえ目の前に立つとかなりの迫力だ、まずはリールの動きを目で追ってみた、どうにかではあったが7図柄の金色を目安におぼろげではあるが見えるようになった、だが中リールの逆回転に目を移すとどうしても一瞬、切り替えの間が出来てしまう。猶予は1秒しかないんだ、このままではダメだ・・・
「ベニー、ちょっと休んでいいぜ!」
俺は座り込んで策を練った、ゴールドスロットは俺の命令が効くマシンではない・・純粋に目押し力のみの台だ・・・ならば、それに賭けるしかない、しばらくヒリつくような目押しなど経験していない・・さて、どうする・・・押し順は、順ハサミがいいだろう・・まずは左リールの7の位置とタイミングを頭に刻む、その後、左リールと右リールとのズレを覚える、最後が肝心だ、理屈でいえば中と右とのズレを覚え、そのズレを繋いでリズムを体に刻みつければ可能性はあるが、逆回転する中リールの動きに目を切り替える際の“間”を消すことが出来なければ、リズムを見誤ってしまう・・・・
「よしっ、悩むより体で覚えろだ!、ベニー、休憩は終わりだ、頼む」
ベニーはまた渾身の力を込めてハンドルを回す、やがてランプが点灯した。俺は神経を集中しリールを見つめ続けた。
「よしっ、これでいってみるか!」
左リールの7が通過したタイミングを見計らって次に7が降りてくる瞬間に右手を左の停止ボタンへと発射し、そのまま刻み込んだリズムで右・中とボタンを押した・・・左右のリールには見事7が停止したものの中リールでは3コマ上段に7が停止していた・・・やはり、間を完全に消すことは出来ないか・・・よし、ならば3コマ分のズレ、右から中へのリズムを修正すればいいんだ!二度目の挑戦、俺は再度リールを見つめリズムを刻みこんだ、第二停止から第三停止の修正したリズムを頭で刻みつつ、左リールの動きを追った。そしてここぞという瞬間に右手を発射した・・・・ファンファーレとともに見事7図柄が中段に停止していた。
「やったわ、さすが大介!たった2回で」
リトル・ママの顔がパッと明るくなった。
「いや、まだだ、三つのリールがどの位置から回り始めるかわからない、だから、どの形から回りはじめてもリズムがつかめるように練習しないとダメだ」
その後、残りの5回、スタート時の停止形をずらしリズムを掴む練習をした 結果は、3回は成功し2回は失敗であった・・最初の一回目は除くとしても6回中、4回成功、成功率約67パーセント・・普段、100パーセント勝てる勝負しか、してこなかった俺には微妙な数字だ・・ヤレるのか・・・俺の心を読んでか
「大介、やるしかないのよ、覚悟を決めて!」
そう言ってリトル・ママはポケットから黄金の鍵を取り出した。そして、左の壁の隅に歩み寄り、小さな穴に鍵を差し込んで回した。すると壁は、左右にスライドし小さな部屋が現れた。その小さな部屋の中には、黄金に輝く一台のスロットマシンが鎮座していた。
「大介」とリトル・ママは呼んだ。
「これがゴールド・スロットか・・・・」
「コインは三枚、一度きりよ」
キラキラとリトル・ママの全身が光り、そして姿が消えたかと思うと、俺の足元に、三枚の黄金のコインが落ちた。リトル・ママ自身が三枚のコインへと変身したのだ。「そのコインは、リトル・ママの命だ」とベニーが呟く。
俺はゴールド・スロットと対峙した。ふうーっと深呼吸して、コイン三枚を『ゴールド・スロット』に入れ、レバーを叩いた、リールが唸りをあげて超高速で回転し始めた。
「流石に本物はちょっと違うようだな・・」
俺はベニーの方を見た、ベニーは頷いた
「よし、簡単なことだ、リズムを刻み込むんだ、俺なら出来るさ!」
自分に言い聞かせるように呟いた。俺は昔のことを思い出していた・・・俺には、藍子というフィアンセがいた、しかし藍子は不治の病を患っていた、俺はどうすることもできなかった。マシンと会話できる能力を持っていても、金をいくら払っても藍子を救うことは出来なかった。その後も能力を使い、だらだらとスロット生活を送っていたが、心のどこかで藍子ひとり救えなかった能力に憤りを感じながら生きていた。だが、今の俺ならもしかしたら、リトル・ママ、その娘、ベニー、そして俺自身、四人の命を救えるかもしれないのだ。心が熱く燃え上がった。リトル・ママの哀願した母親の涙が俺の胸を奮い立たせた、そして、そのリトル・ママの命がゴールド・スロットの中に、すべては、俺にかかっている。深く息を吸い込みリールを凝視する。イメージを浮かべながらリズムを刻み込んだ・・・・・・よしっ、今だっ!
左リールのタイミングを見計らい、流れるような手の動きで残りのリールを停止させた・・・俺は、恐ろしくてリールに目を向けられない・・・・一瞬の刹那の後
「やったな!大介!」とベニーが叫びながら抱きついてきた。
恐る恐る目をリールに上げると、そこにはまばゆい光を放つ黄金の777が並んでいた。
「あ、ああ、やった・・やったぜっ、俺はやり遂げたんだっ!!」
次の瞬間、リールが再び回転し始めた
「おいっ、ベニーどうなってんだよコレ・・」
いったい何がどうなっているのかわからない、俺は成し遂げたはずだ・・・すると、激しく回転していた三つのリールはマシンを突き破って飛び出してきた、狂ったように部屋の四方の壁にぶつかりながらやがて煙のように消えてしまった
壊れたマシンの中から滝のように金貨が流れ出した、そして俺は気を失ってしまった・・・・
「オギャァ! オギャァ! オギャァ!」
赤ん坊の泣く声で、俺は目を覚ました
「大介、ありがとう。なんて感謝していいか」
リトル・ママも赤ん坊といっしょに泣いている。そして、なんとベニーも男泣き
「・・・・・まっ、一生に一度の人助けかな」俺は照れる。
「大介、金貨は魔法の金庫にしまってあるわ。全部、大介のものよ、これが魔法の金庫の鍵よ、大介が使いたいと思ったときにこの鍵を使えばいつでもどこでも中身を取り出すことが出来るのよ」リトル・ママはそう言うと一本の鍵を差し出した。
「・・・俺は奇跡の右腕を持つ男だぜ!この世からパチスロが無くならない限り食うに困ることはない、その金庫の中身はその子の眠っていた時間を取り戻すために使ってくれよ! それで、もう二度と俺の前に現れないでくれよな、今回みたいな命賭けの勝負はもうコリゴリだぜ、じゃーな!」
・・ちょっとカッコつけて惜しいことしたかなと思いつつ俺は家路についた・・
FIN
休み明け 大学
「んー、話の設定うんぬんは置いといて、結構、まとまってるじゃない、でもさコレってパチスロしない人が見たらチンプンカンプンだろうね、アタシもよくわかんない言葉イッパイあったし」
「そ、そうだよな、やっぱわかんなかったか・・ハハ・・・そ、それよかアヤ・・・・あ、あのさ・・」
「ん?どした?」
「いや、こないだアヤが置いてった手紙でさ・・・お題もそうだったけど・・・あ、あ、赤ちゃんって・・・」
「ああ、アレね・・・ダイジョーブだって! 気にしてたんだ、ふふっ、でもさぁホントにデキちゃったら真どうする?」
「・・もしそうなったら、ゼッタイすぐオレに教えてくれよ! なんせオレ様の子供なんだ・・男として、親として・・責任を果たさなきゃいけねぇからな・・・」
「え?なにマジになってんの?ダイジョーブだって言ってるでしょ」
(・・・・・結構マジメに考えてんだ・・・・・ミナオシタ・・・・・・・)
「いや、オレはもし親父になったら、アヤや子供にとって太陽のような存在になりたいんだ、いつまでも力強い太陽のように・・・叶うのなら・・オレが・・オレで・・・」
「そっか、真はお父さんのことあんまり覚えてないんだよね・・父親ってものに特別な思いがあるんだね・・・ってかやっぱアタシって決め付けてんだ、ははは・・・・・太陽かぁ・・そうだ!じゃーアタシ、今度は『太陽』ってお題で書いてみるよ!セルフ出題だけどいいよね?」
「あ・・ああ、いいよ・・・あのさ、オレしばらく笹木教授の研究室でやりたいことあんだわ、もう教授の許可ももらってるし、でさ帰りとかも遅くなるかもしんないからアヤ先に帰るようにしてくんねえかな」
「え、別にいいけど・・何すんの?」
「・・・今はまだ秘密さ・・・太陽になるためかな・・・・」
〔太陽の鍵〕 林 アヤ
俺はバイクのキーを空に投げた
宙に舞った鍵は
真夏の太陽と重なり
キラリと光った
一瞬 閉じかかった瞳は
落ちてくるキーを捕え
俺はそれをがっちりと受け止めて
マシンに差し込んだ
太陽の鍵から宇宙のエネルギーを
吹き込まれたマシンは
爆音を轟かせ
俺を未知の世界へ連れ去った
数日後の夕刻 真の家
「ヒロちゃん、真います~?」
「あらアヤちゃん、まあ上がって、上がって」
「で、真はまだ帰ってないんですか?」
「そうなのよ、なんか笹木っていう教授の研究室に泊まり込みでなんかするって連絡あったきりで、もう二週間以上帰ってきてないんだよね・・あの子ちゃんとゴハン食べてんのかなぁ・・」
「そうなんだ・・ナニやってんだろ・・・」
「アヤちゃんも知らないの?」
「ええ、今はまだ秘密らしいです、太陽がどうとかって言ってましたけど・・」
「太陽?・・・あのさ、気が向いたらでいいんだけどさ、アヤちゃんちょっと真の様子見に行ってみてくんないかな?」
「わかりました、明日にでもちょっとのぞいてみます。で、たまには家に帰れって言っときますね!」
「元気でいるんならいいんだ、でもちょっと寂しい気もするから出来れば、週一くらいはウチに帰ってゴハン食べなって言っといて」
「リョーカイしました!」
翌日 笹木教授の研究室
「すいませーん、杉山君いますかー?」
すると部屋にいた谷口というノッポの3年生が
「杉山ハカセなら別棟の実験室にいるよ」と言って実験室まで案内してくれた。
「ここだよ、このデッカイ扉の向こうにハカセはいるから」
谷口はそう言って立ち去ろうとした。
「なんでハカセなんですか?イヤミですか?」アヤは聞いた
「違うよ、尊敬してんのさ!アイツは見ているモノが違う、まさにギフテッドだよ。まぁ、俺には俺の武器があるけどな」
そう言うと谷口は去って行った
「・・・モノが違うねぇ・・・・」
ふと目をやるとドアの横に無造作に大きなゴミ袋がおいてあるのが見えた、中には白くて柔らかい紙が大量に詰め込まれていた、アヤはため息をついた
(・・・・・はぁ~、ここでもか・・・タシカニモノガチガウカモ・・・・・)
気を取り直し、アヤが部屋に入ろうとその重い扉を開けた瞬間
“ズガガガガッー!! ドドドドドォーンッ!!” 耳をつんざく轟音が鳴り響いた
「えーっ、えーーっ??ナニーーーーッ???」