人の生きざま

 

生きる虎の巻はない

 

俺は何を続けてきた?
ここにいること?

 

俺のルール、俺が決めないで誰が決める

 

海辺で産卵する亀
川を登って産卵する鮭
みんな一定の方向に向かってる
生命の連鎖よ
本能よ
人間は少し考えすぎかもしれない

 

昔、あの娘が激しく言った
「あなたの病気は治るんでしょ」
「私は治らない病気なのよ」
あの時、看護婦さんが俺に語った
「たとえ治らない病気でも

一生戦わなければならないんだよ」

 

この短い人生で
人は何を残すのだろう
歴史に名を残す
それが生きがいの人がいる
平々凡々と農業を営む人がいる
何が偉いなんて言えはしない
ただ、生まれてすぐ
幼子で死んでしまう人もいる
生きたくて仕方がないのに・・・・
本当にかわいそうな天命
何を残して・・・・・・・・
それは、生きざまを残すのだろう

それは、一生戦った生きざまを残すのだろう

 

 

 

 

「生きざまか。たとえ治らない病気でも一生戦わなければならないんだよ。キツイなあ。生きる虎の巻はない。俺は何を続けてきた? ここにいること? 俺のルール、俺が決めないで誰が決める。この短い人生で人は何を残すのだろうそれは、生きざまを残すのだろう。それは、一生戦った生きざまを残すのだろう」

「なんとなく書いたわ。思いのたけを。どこからか、人生の声がしたの」

「そうだよな。生きる。生きる。生きる! この続きのショートショートは任せてくれ」

 


 

 

 

 独白

 

俺は今、長い夢の中にいた。まだ正式な教師になっていないが、教育実習で母校に行き

生徒達に歴史の授業を教えていた。

 だけど教えている俺自身、大学では何も学ばなかった。いや、学ぶ努力をしなかった。 ただ日々、バイトに明け暮れていた。彼女もできたが、すぐに別れた。

 使い捨てだ。もちろん、俺が捨てられたのだ。

 泣きたいくらいに惨めだった。そんなサッドな日々の繰り返しだった。

 いくら待っても何も起こらない、変わらない。変わらない毎日・・・・・・・・・。

 大学生活はアッという間だった。わからないまま何かを求めていた。

惰性でこれまでやってきた。カッコウだけの男であった。

 いつも軽い気持ちで、人生という名の空に寝転んでいただけで、そんなことでは何かしら答えが見つかるはずもなかった。

 何もしないで季節は巡っても、いくら経っても春はやって来ない。当たり前の話だ。

こんな俺が教師になって良いのか疑問を感じた。

高校三年の生徒達と同様に俺の心は激しく揺れていた。

教育実習の日の朝は、頭の中が真っ白だ。一体、何を教えられるのだろうか。

人生か?

とんでもない!