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「暗号『謎の四文字』って何ですか」
「昔モーリス・ルブランが書いたアルセーヌ・ルパンもので、『謎の四文字』という推理小説があり、とても面白かった。俺もいつか暗号の解読ものを書きたいと。で、今回ブルー王子から、青の時代、青の時代から、数式πradと頭の中をグルグル働かせたら、こんな物語になった。もう、ワヤクチャ。でもかわいい作品に⋃旅をさせろ? 作品煩悩。愛着も人一倍の作品になった。他人には、ちょっと理解できないか。そして、ブルー王子と檸檬の格言集。格言をもとに、ショートショートを作った。最後にユア・マイ・ラブソング。これもちょっとナルシストかな。でも、これが矢吹徹の世界」
「ふぅー、そうか。檸檬、理解できた?」と遥が檸檬に聞く。
「うーん、なんとなく。徹さんの頭の中が、少しわかった。私、『人生の季節』って格言結構すきです。みんな違った人生の季節の中で出会いふれあう。とてもリアルで真実だと思った。そして、ユア・マイ・ラブソング。君を守り、おれを守り、愛して心から貴女を守りたいのです。あァ、こんな恋愛がしたいです」
「あーらら、檸檬も徹さんの世界にはまりつつあるわね。でも、πradには苦戦します。どこから、弧度法180度を持ってきたのか。ルパンの『謎の四文字』か。難解、難解。名探偵コナンを読んできましょうか。すべて『何かのご縁で』すね。生きないと失礼だ。やってやろうぜ。そんな気になってゆきます。そして、生きてゆくには、大人のずるさも必要です。悲しいのか、嬉しいのか、両面の涙。つくづく矢吹徹は渋いです。でも、ほめていません、けなしていませんよ。ありのまま、そのままです。でも、少しカッコイイかな」
「ありがとう、檸檬に遥」
「今、何か違う格言を思いつきませんか」と遥。
「そうだね」と俺。
急に言われてもなァ。
「『手品って、人の目をくらますが、時に人を感動させたりする。俺もそんな嘘偽りがつきたい』かな」
「その心は?」
「騙し騙されそんな人生。そんな中で、手品のような、アッと驚く感動の騙し。そんな嘘偽りを人生で実践してみたい。だって、偽りは人の為と書くじゃないか」
「そう、人の為の嘘ならいいですね」とロマン。
「物語、ショートショートの中では、檸檬とブルー王子で焼く五百の格言をデータ化しており、手製の本を作っている。俺も負けられんよ」
「ところで未来の檸檬物語はないのですか?」突然檸檬が言った。
「未来?」
「えぇ、過去の邪馬台国にも行った。今現在の話は普通に書いている。未来のロマンに出会いたい」
「うーん、何か考えてみるか」
「それは、遥からもお願いします」
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ショートショート 天女檸檬とサッカー選手
俺は、仕事帰り酔っ払い帰っていた。
ツカツカツカ。足音がする。ヤバイ。
相手は一人じゃない。
もしかするとオヤジ狩りだ。
一気に足音がして、あァ、一巻の終わりか。
だが、俺は平気だった。
薄目を開けると、天女が不良達の間を舞っていて、二人三人となぎ倒してゆく。
これは一撃必殺の空手技か。
2029年の夏。
「大丈夫ですか?」
「あァ、ありがとう。助かったよ。何かお礼をしなくっちゃ」
「では、私の店によってくださいね」
「お姉さんの店か。いいよ。連れて行ってください」
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俺はその店のある指定席に連れて行かれた。
ここには綺麗な女性がたくさんいる。
その横で男性が楽しそうに話しをしている。
ここは、キャバクラか!
ということは、さっきの天女はキャバクラ嬢か。
しばらくして、天女は現れた。
「おまたせ」
「いえいえ。ここはキャバクラなんですね」
「そうよ、私の城。驚いた」
「ところで、きっきの俊敏な動きは驚きましたよ。貴女の体が宙に舞っていましたよ。貴女はまさに天女だ」
「天女か・・・・・。私、2020東京オリンピックに出たことがあるの。空手の型だけど。4位入賞かな」
「ほんとかよ。凄いな。だから、あんなに強い訳だ」
「でも、体を壊して、激しい運動は一瞬しかできなくなった」
「それを俺のために使ってくれたのか」
「まぁまぁ、乾杯しようよ」
「乾杯!」
「二人の出会いに」
「俺はしがないサラリーマン、33歳」
「私はふふっ、天女、檸檬よ、29歳」
「じゃあ、20歳の時にオリンピックに出たんだね」
「でも、お兄さんの方が凄い。四、五年前にあったワールドカップに出てる。DFで」
「どうして、それを」
「私、猛烈なサッカーファン。幻のDF、風間一真」
「そう、幻だ。俺もあの大会を機に、体を壊して、サラリーマンに転職。いいことは続かないんだね」
「でも、今も夢を捨てていない。奇跡的に体が治ると信じている」
「凄いね。ほんとに人の心が読めるのじゃないのか」
「いえ、私も、体が元に戻るのを願っている信じている。風間一真と同じよ」
そう俺は家の近くの神社に毎日通っていた。
裸足で階段を上り下りして、願をかけている。
あの栄光の日々。
努力が報われた日々。
オレンジ色の温かい暖色系の夕日を背負っていた日々。
ふと、檸檬を見た。
檸檬も復活のために日夜努力をしているのかも。
じっと座っているが、心は阿修羅のごとく天空で暴れまわっている。
そして、天女の一面を持つ不思議な女性。
「一真さん、じゃんけんで、チョキがグーに勝てる時を知っている」
「なんだい、檸檬。チョキがグーに勝てる訳がないよ」
「それが、勝てるのよ。Vサインだから」
「ハハハ、とんちかい? じゃあ、グーがパーに勝つときは?」
「それはね、かつて、チョキに勝った時の経験が生きているから」
「凄いね」
「私達に必要なのは、グーはパーに負けるが、拳を握った『熱い思い』は、誰にも負けはしないってこと」
「そうだね。きっと、そうだよ」
そして、なぜか俺達は心が通じ合いキスをして、長い長い抱擁をした。
なぜか店の者には気づかれなかった。
ある日、その日も神社に願かけに行った。すると境内で天女が舞っていた。自信に満ち溢れ、宇宙を制して自由にキラキラと天女が舞っていた。俺達は誰にも負けない『拳』を手に入れたんだと思った。あァ、愛しの天女、阿修羅、檸檬よ。