幸せ
いつの年か、久し振りに
オヤジが夢に出てきた
気づけば俺は海にいた
なぜか海にたくさんの瓦が
浮きのように浮かんでいた
俺はその一つの瓦に乗っかってた
オヤジは子供のように
瓦を自由に扱って
いたずらっ子が
何かをする時の笑顔満面で
ビュンビュン海を
あっちに行ったり
こっちに来たり
まるで瓦サーファーである
もうすぐオヤジの十三回忌
その前に胸にジーンとよかったぜ
オフクロは
透明なテープで修繕した
ひび割れた手鏡を使っている
この間、旅行のみやげに
新しい手鏡をプレゼントした
ありがとう! と言って喜んだ
だけどオフクロはいまだに
ひび割れた手鏡を使っている
だけどオフクロはいまだに
思い出のひび割れた手鏡を使っている
幸せか不幸なんて
自分の気の持ちようだ
でも、そう思うのは
たぶん、自分が幸せだからだろう
だから、自分が苦しい時
そう思うのは、きっと素晴らしいことだ