赤トンボの光景
俺が見た光景は夕焼けで鉄の金網に腰掛けて
赤トンボが飛んでいて
黄昏でまるで時が止まったかのようで
対面する工場の煙突からは
風の流れを教えてくれかのように
煙がプカプカ白く空を染めていた
一度、変わったことがあったなァ
ある夏の日俺が小学校四、五年で
友達と遊んでいると
見も知らないオジサンに声をかけられた
カバンを持ってくれとのこと
見るとオジサンは汗だくで
重そうなカバンを三つ持っていた
その頃犯罪等の関係で学校から
知らない人について行くなと通知があり、
俺達は迷ったがその人のカバンを
持っていっしょに短く長い?距離を歩いた
しばらくして、「ありがとう」と言って、
三人に当時の百円硬貨をそれぞれにくれた
そして、オジサンはとぼとぼと
重たいカバンを持ち引き続き歩いて行った
俺達はしばらくオジサンを見て
振り返り振り返り家に戻って行った
なぜか、あの時のことを思い出す
あれから、どうしたのかな
今となっては、もう、わからない
せめて、もう少し、カバンを
持って歩いてあげればよかった
赤トンボのあの場所には色々な思い出が………
オジサンやあの仲間とは会うことは二度とない
赤トンボの光景にはたまに会う
黄昏て黄昏て、
暑かっただろうなァ、
重たかっただろうなァ