麻の豆知識
本日の「しろくま@豆知識」は『麻』のお話です。
『麻』に関しても本格的に書きだすと中々終わらなさそうなので
入門編と言う事にさせて頂きます。
麻と言えば夏の代表的な素材の1つなのですが、
服地素材として用いられる麻の種類は大きくわけて2つ。
1つはラミー(苧麻=ちょま)で東洋の麻。
繊維が太くて長く、天然繊維の中で最も強度が強いのが特徴です。
ラミーの強度は羊毛の4倍、綿の2倍と言われています。
色は白くて絹のようなしっとりとした光沢を持ち、
肌触りはサラッとしてシャリ感があり、コシもあります。
用途としては紳士用のシャツやジャケットが多く、
どちらかと言うと高級素材になります。
2つ目のリネンは西洋の麻(亜麻=あま)で、繊維は細く短い。
天然繊維の中ではラミーに次ぐ強度があります。
色は亜麻色で、風合いはソフト。しかも、しなやかです。
用途としては汎用衣服や寝具が多く、特に寝具では
ベットカバーやシーツに使用されることが多い。
病院などの「リネン室」はココから来ているんですよ~。
ラミー・リネン両方ともに吸湿性、放湿性、発散性、通気性に
優れていて清涼感があり夏の素材としては最適なんです。
ただ、「麻」は「強い」と言われますが実は「繊維≒糸」として
強いのであって、必ずしも「生地」として強いわけではないんですよ!
生地の強さを決める大きなポイントは2つあって、
1つは糸の強さ。2つ目は糸の織込み密度の高さになります。
このどちらか一方でも欠けるといくら天然素材最強の「麻」でも
すぐに破れてしまうんです!!
「麻」製品に強度を求めるお客様に1つアドバイスです!
麻生地や麻製品を目の前30センチくらいの位置に置いて見た時、
明らかに向こう側が透けて見える場合は急激は力が掛かってしまうと
いくら天然繊維最強でも裂けてしまう可能性があります。
生地の強度を決める要素で最も重要なのは、
実は繊維自体の強さではなく糸の密度の高さになるんですよ。
ちなみに人類最初の織物はリネンだということです。
しかも、紀元前5千年の古代エジプト。
恐るべしエジプトです!!