どうしてだろ…いつもそうさ 近づくたび 空回りの夢
前を向いて しがみついて そう少しずつ 
約束のあの場所へと 支え合いながら


自信が足りない時は 胸に手をあてて
ボクらが綴ったページ読み返そう
今日までそして明日へと 続いてゆくのさ

大切な夢が叶う その日まで ありのままの僕らで
ずっと…

本当はね…心配だよ 逢えないこと 時が過ぎてくこと
焦ってたり 怖かったり でも信じてる
譲れない何があっても キミをそして夢を

出口が見えない現実 不安な毎日
迷路の彼方に光探している
未熟なボクの弱さも 負けない気持ちも
すべて抱きしめて 今を生きている キミだけをまっすぐに見つめ

せつなくて(逢いたい夜には)
窓を開け空の彼方へと(力の限り)叫ぶキミの名を


ボクらの夢スケッチのゴールはどこだろう…すべての願いをこめて埋め尽くそう
どんなに遠い夢でも あきらめないから
ただ前を向いて キミと駆けて行く 独りじゃ辿り着けない場所へ










「誰だよぉ 歩きで行こうつて言ったのぉ」

「あたしだよっ」



『今日はお天気だし 目的地まで歩きましょうよ』

『えーッ いやだよ』

『アッ?』

『だってめちゃくちゃ遠いんだよ バスで行こうよ』

『ホラ そうやってラクしたがる』
『歩くのも旅の醍醐味なのよ』
『歩け歩け大会 レッツ スターティン!』

『大丈夫かな〜』

『ダイジョウブよ イザとなったらスマホがある 迷わないわよ』





「んもぅ お陰で道に迷う 電波は圏外 最悪だよ」

「う 五月蝿いわね…」

「…脚が棒になる」

「何さ あんたいつも棒台詞の塩人形の癖に」

「…脳まで筋肉の貴女に言われたくない」

「キィー!」

「とにかく みんな歩こう」

「ハァ…ハァ 疲…」

「アスカ?」

「いえっ あたしは疲れた事ないんだから」

「そう…無理しないでよ」

「フン 自分の心配でもしてたらぁ」




「ハァ…ハァ…もうどれ位かしらぁ」

「…かしら かしら ご存知ないかしら」

「キッ!」


「ハァ ハァ(流石にヤバいかも)」

「アスカ…やっぱり…」

「こっ こんな時はスマホよぉ ヘイSiri イマ ココ ドコ アタシ ダレェ?」ペシペシ

「ニ"ャ"ッ"!? 姫ッ 何するニャンッ」

「アスカがぶっ壊れたぁ」

「西から昇った太陽が 東に沈む… アッチがニシン コッチがえーっと…なんだっけ」

「姫がヤバいよヤバいよ どっかで充電させてもらわないとぉ」

「あたしはバッテリーかっ!」


「って つながる電話はドコだぁー!」


「ハァ…ハァ…叫んだら…もう立ってられ…」
フルフルッ…

「(アスカ…)」

「(別に自業自得だよ 言い出しっぺなんだし…)」


「ハァ…ハァ…」


「(くそっ…仕方ないな…)」


スッ…「ほら…」

「エッ…」

「ほらっ…」

「ちょっと…あんたっ するならどっか見てないトコでしなさいよっ」

「何言ってんだよっ!」

「もようしたんでしょがっ」

「違うよっ!」
「おっ…おんぶしてやるって…」ボソッ


「エッ ナニ?」

「だからおんぶしてあげるって!」

「あんたがぁ!?」

「わるい? 嫌ならいいけど…」

「イヤじゃない …けど」

「じゃあ…」

「けど…」


「(そんな事…する訳…)」


「シンジ君の好意に甘えたら?」

「ヌヌ…」

「シンジ君はキミを心配してるんだよ」

「…」

「素直になりなよ…」

「…」

「ンッ…仕方ないわね しょうがないから乗ってあげる せいぜいコキ使ってやるから しっかり歩きなさいっ」

「んだよ もう」

「ンジャ ワガママ姫がおとなしくなったし れっつらごーぉ」ペシッペシン

「キャッ?」

「(さっきのお返しニャ)」

「ンモォ〜」



「カヲル君…」

「フフフ…」

「ありがとう」

「君は見過ごせない質だって 分かっていたさ…」

「そんな事ないよ」

「フフ」

「ちょっとぉ 早く行きなさいよ」

「うわっ 耳元ででっかい声出すなよ」

「フンッ」









「ふぅ ふぅ…」

「アー 楽チン楽チンッ」

「ふぅ ふぅ」

「苦しゅうないぞよ ホレ急がぬか」

「(うるさいなぁ)」

「(って言うか… 重いっ 女の子一人なら大丈夫だと思ったけど…)」

「ウフフ…」

「(言った手前 最後までやり通さないと…カッコつかないよ…)」

「(あきらめないっ 絶対に あきらめなければ きっとっ)」



「…」ギュ…

「!?」

「(このあたしが 誰かを頼るなんて…)」

「(らしくないけど…)」

「(こいつなら まぁいいかなって…)」

「(思えてくる)」

「(この状況に慣れてきてる自分がいるの…)」



「(アッ…アスカッ…当たってるっ)」





「…見て」

「えっ」

「アレじゃない 目的地 光ってる所っ」

「やったァ♫」

「急ぎましょ」

「うんっ」









「た 助かったニャア…」


「も もういいわよっ シンジッ」

「えっ…」

「いつまでも抱っこだなんて 恥ずかしいじゃないっ」

「わ 分かったよぉ」

「いょいしょ…」

「アー ゴクローさん」

「んだよ…」


スック…
「!?っ」ピリピリッ

「いっ!」

「どうしたのよ?」

「べ 別にっ」

「だったら屈んでないで 早く立ちなさいよ」

「分かってるって ちょっと待ってよ」

「…碇君」

「ワンコ モジモジしてどーしたのさ」

「アッ…! あんた まさかっ」
「あたしの柔らかさで おっ立ったのねぇ」

「なっ!なんだよっ それぇ」

「分かるわ 分からないけど だからスケベってイヤなのよ」
「だってあたしホラ大きくてさぁ〜」

「…言葉の意味は分からない けど大きくはないと思う」

「ゴラッ!」

「…」



「ほら…シンジ君」

「カヲル君…」

「イヤッ ムッツリ 今手貸したら こいつの シンジクンのおテントが」
「お恥ずかしいソロキャンプが見えちゃうゥ」

「しびれたんだね ほらっ…」

「カヲル君…ありがとう」

「肩貸すよ…」ギュッ…

「カヲル君っ…」

「ほらご覧 あの光を…」

「うん…」

「あれが 僕達の希望の光さ…」
「さぁ 向かおう 別天地へ…」

「うんっ」



「ちょっと…あんた達 勝手に盛り上がらないでよ」

「まぁ いいじゃないの 美しきゆーじょうニャン」

「またあたし達を置いてけぼりにして だからホ○ってキライよ」










カポーンッ
「ニャー イイ湯だな ニャニャン♫」

「…ふぅ」

「確かに」


「アーッ 疲れが取れるッ…」

「ニャッ!?」

「…疲れないとは…?」







「シンジ君 お疲れさま」

「ほんとっ 疲れたよぉ」ノビーッ



「でも楽しいから…またこのみんなで出掛けたいな」

「フフフ そう言うと思ったさ…」

「カヲル君…」

「それに」

「?」

「僕が言うのもなんだけど この旅はまだ終わりじゃないさ」バシャ

「カヲル君っ ちょっ」

「フフフッ 今夜は寝かせないさ」

「カヲル君っ…くすぐったいってぇ」バシャバシャ


『ちょっと!あんた達イイ加減にしなさいよっ』


「アスカこそ いい加減してよっ 聞き耳立てちゃってさぁ」

『五月蝿いっ このポークビッツ』

「はぁ!?」

『図星ね あんたみたいなガキがデカい訳無いわよね』

「んだよっ そっちはまな板の癖してさぁ 人の事言うなよなぁ」

『いっ 言ったわねぇ ヤローオブクラッシャーッ!』バシャンバシャン

『姫 モチツケってぇ』

『…突く餅が無いもの 無理よね』

『キィ〜!!』



気付けば 5日も経ってた…

やっとこさ…