どうして、こわれてしまったのでしょう… | 哲学・倫理時々小説のブログ

     

     

     ゆめみちゃんが「どうして壊れてしまったのでしょう?」とたずねている…。
     紀元前8世紀の詩人ヘシオドスの「正義という法は人間に対してだけゼウスが定めたものであり、互いに食い合いをする魚や獣や翼をもつ鳥どもには、正義なるものは存在しない」(「仕事と日」より抜粋)という言葉をこれまで何度もご紹介しているが、このような正義は、時代や国で変わるものではない。
     ヘラクレイトスがロゴスについて、「世界は常に変化しているが、一つだけ変化しないものがある」、「ロゴスだけは不変である」と述べている。というように、ヘシオドスのいう正義はロゴスであり、カラスは黒いというような帰納的なものではないのだ。
     
     最近でも白いカラスのニュースを読んだが、白でも黒でもカラスはカラスである。

    白いカラスを撮影 福岡・香春町で [福岡県]

    白いカラスを撮影 福岡・香春町で [福岡県]

    白いカラスを撮影 福岡・香春町で [福岡県]

    (西日本新聞)

     日本野鳥の会筑豊支部の広塚忠夫事務局長(73)が福岡県香春町で、全身がほぼ白いカラスの撮影に成功した。最初に発見した同町の秋元澄子さん(75)によると、昨年11月上旬からほぼ毎日見かけているという。山階鳥類研究所(千葉県)の担当者は「全国的にも珍しい」としている。

     秋元さんは11月9日、自宅窓から外を眺めていた際、カラスに似た白い鳥を見つけた。以降も自宅周辺で見かけ続け、秋元さんに話を聞いた近くの男性が広塚さんに連絡。広塚さんは3日間にわたり、白いカラスが羽を広げて飛ぶ姿や黒いカラスと寄り添う姿をカメラに収めたという。

     山階鳥類研究所の担当者は「病気や遺伝子の異常などで、野鳥の羽毛が全体的、部分的に白くなることはごくまれにある」としている。

    =2019/01/24付 西日本新聞朝刊=

     

     ヘシオドスのこの言葉は、悲惨な鉄の時代に突入しようとする人間に対するアンチテーゼであった。
     そして現代…、再びこのような正義を否定しようとしている。
     ゆめみちゃんは「どうして壊れてしまったのでしょう?」とたずねているが、「人間はどうしてこのような正義を壊そうとしているのだろう」と思う…。
     
     ソクラテスは、ゾピロスという人相見に、顔をみられた時、「知見が狭く、情欲に傾く性質である」といわれたが、それに対してソクラテスは次のように答えている。
     「それは当たっている。だが私はロゴスによって、それに打ち勝っているのだ」

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