70年代に生まれ変わったロミオとジュリエットの再来を描いたミュージカルコメディの舞台だった 


なかなか稽古に入ってもロミオ役の役者さんとテンポが合わずに四苦八苦した 

それは初日だった


わたしはロミオから力づくで二人の悪人に奪われていくときの激しいダンスシーン 



ロミオがジュリエットのわたしを奪え返しに来る 



わたしは両脇を二人の悪人に捕らえられている 


ロミオはそこに勇敢に立ちはだかる 




その時だった 


わたしの振り上げた足がロミオの股間におもいっきり命中してしまった 


愛するロミオなのに… 




ロミオはうなだれるように倒れてしまった 



もう立てない状態



本当なら奪え返したシーンにうつるはずだったのに 

あってはいけないこのハプニング




即座に両脇をかかえる悪人達から合図が入った 



蹴ってくれと… 



おっ??? 





蹴ってくれ…



考えているド暇はない 





わたしは悪人達を振りほどきロミオと同じように股間を



力いっぱい蹴り上げた 




ロミオと同じくうずくまる悪人達 





受けまくる観客の方々




わたしは舞台袖に合図を送る 


一応ハプニングがあったときの為に抜け道はつくってある 


一瞬の暗幕の合図をした 




そしてオリビアの
「愛すれど悲しい」
をしらこく熱唱するわたし 





本当は助けだしてくれたロミオの前で踊りながら捧げる歌だったのに… 



肝心のロミオは舞台袖でなぜか股間をおさえて必死に飛んでいる 


悪人達も一緒に股間をおさえて飛んでいる


そんなにおもいっきり入ったのか??





死ぬ程愛しいロミオの股間を蹴ってしまったジュリエット 





前代未聞なのかもしれない 



カーテンコールのあと監督はなぜか大絶賛 




「いい展開になったよね」 
「あのシーンはあのままでいこっか!」 



おっ?? 




ロミオ役の役者さんは一瞬顔色が変わる 


ところが 


「頑張ります」の一言で解決してしまった 





舞台は初日から千秋楽までまったく同じには演じない 



観客の方々の反応しだいで細かい部分は修復して変更していく



だから千秋楽では完璧なものに仕上がる 


当然役者同士のテンポも掴んでくるのもある 




だから舞台通はそれを楽しみに初日と千秋楽に観る方もいらっしゃる 


わたしは結局公演期間中



股間を蹴りまくる羽目になってしまった 






ロミオ…あなたはどうしてロミオなの? 





「親から勝手に付けられた名前だから…」 






愛すれど悲しいロミジュリの喜劇な物語だった。 








ルンo(^∇^o)ルン(o^∇^)o