久々の更新。
今年の春から親元を離れて一人暮らしを始めた。
車で2時間半くらいでつく場所だから、休みの日には結構帰ってる。

地元愛がすごいのと、新しい土地で馴染んできた部分となれない部分がどうしてもあって、帰らないではいられないのが本音。
自立できてないって感じ。
そんな中で家族の存在の大きさを感じている。


私はちょうど田舎の一人っ子。
家族は父、母、祖父、祖母、犬が一匹に猫が二匹。
中学の頃から合宿に行くたびに
「お前がいないから今夜は葬式みたいに静かになっちまうなあ」
って言われてたから、
家を出た今は毎日葬式なんじゃないかと
心配になる。
そのせいか、実家に帰ると
家族みんなニコニコしながら私を迎えてくれる。
どんなに夜遅くても。

特に私の帰りをニコニコして待っていてくれるのは祖父だ。



私の祖父は、本当は次男だった。
だから私の生まれたこの家を、継ぐはずではなかった人だ。
祖父の兄、つまり長男が駆け落ちをしてしまったため、家を継がざるを得なかったらしい。
もし、祖父の兄が駆け落ちをしていなかったら、私はこの家で生まれ育たなかった。大自然に囲まれて大切な幼馴染と成長することはなかっただろう。


こんなことをはじめ、
私の祖父はとても苦労して来た人らしい。
祖父の人生の4分の1も生きていない自分は
聞くことでしか事実をしることはできないが
彼は本当にすごい人なんだと思う。


私の祖父は仕事を辞めてからずっと畑仕事をしている。
都会の人が耕うん機で耕す畑の何倍もの広さの畑を
くわ一つ、自分一人で全て耕してしまう。
82歳になる今も体力は変わらない。
そのせいか、私は狭い範囲を耕うん機を使って誇らしげに耕してる人を見ると呆れてしまう。


そんな広範囲の畑を面倒見ている祖父だが、
その畑で収入を得てるわけではない。
あくまで家庭菜園だ。
毎日何かしら野菜や果実が実り
食卓を彩る。
もちろん、家族だけでは食べきれないので
祖父はご近所さんにおすそわけする。
遠くにいる親戚に送る。
雨の日も嵐の日も雪の日も
畑に足を運ばない日はない。
毎日土と向き合い、喜んでくれる人のために野菜を育てる。
本当にすごい人だ。


私の実家の周りには
親を早くに亡くしてしまった父親や
わざわざ東京から移住してきた夫婦などがいる。
彼らには、近くに「親」と呼べる人がいない。頼れる人がいない。
そんな人に祖父は優しい。
東京から移住してきた夫婦を受け入れてやってくれと地域の人々に声をかけ、
親を亡くしてしまった父親には「俺を親父だと思え」と声をかけた。
祖父は、私の父だけのお父さんではない。みんなのお父さんなのだ。

ここには書ききれないけど
祖父は私が生まれるまで
たくさん苦労してきた人だ。
だから、だからこそ
人にやさしくできる大きな人なんだと思う。









実家に帰ると、
茶の間の特等席にあるいつもの背中。
「おう、帰ってきたのか。」
ニコニコしながら祖父が言う。
「唯が帰ってくると思って、布団干しておいたぞ。」


またすぐ帰るから待っててね。