彼女と呑むことになった。

彼女が正月に帰省せず、時期をずらして帰ってきたからだ。

お店ではなく彼女の実家で宅呑み。

「会おう」と誘ったのは私からだったけれど、正直、何を話したらいいんだろう

と不安だった。彼女に会うのは去年の成人式以来、一年以上ぶりだった。

 

近況や同級生の話をし、お酒が進んだ。

よくよく考えたら、二人だけで呑むのは初めてだった。

酔ってきたところで

「卒業したら、帰ってくるの?」

聞いてみた。

答えはNOだった。

がっかりした気持ちもあったが、人には人の生きる道がある、守りたいものがある。

だから彼女の答えを私は受け入れようと思った。

そっちは?帰ってくるんでしょ?仕事はどうするの?と聞いてきた彼女に

「私はこの町が好きだから帰ってくるよ。みんなが帰ってきたいと思う場所にしたいなあ」

そう言うと、

「全校生19人とかさあ、もう誇りだよね。」

彼女が言った。

「夏に魚つかみ大会したりさ、あと、校庭にサル出たことあったよね。

高校でも大学でもみんなに自慢しちゃうんだあ」

聞いた瞬間涙が出そうになった。

彼女は何も忘れてなかったんだ。

一緒に歩んできた道を

たくさん作った思い出を

ちゃんと覚えていたんだ。

嬉しかった。

「ここで育ってよかったよね、本当に。」

お互いにそう言った。

 

私は夢を語った。あくまで理想でしかなくて、現実的じゃないけれど

イチゴ畑とかひまわり畑を作りたいとか、

小学校があった場所を整備して自然に囲まれた児童施設を作りたいとか、

思いつくことたくさん言った。

 

「全部実現するってなったらいくらかかるかなあ」

「えー、いくらくらいだろう」

「二億円あったら足りる?」

「二億円なんて手にしたことないからわかんねえや」

「本当にやるなら私の名前で借金していいよ。でもお金のことはめんどくさいからつきがやってね笑」

「なんだそれー笑 ほんとにできたらいいね笑」

そんな他愛のない話をした。

 

実現なんて遠い夢だけど

お互い共通の夢があること、

同じ気持ちだったこと

それがすごくうれしかった。

 

 

大それたことはできないと思うけれど

地元を離れていったみんなが、彼女が、

また戻ってきたいと思うような

ここに生まれてよかったと思うような場所に

私ができたらいいな。

 

あったかい気持ちになった再会でした。

 

 

 

 

 

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