声 その1
とても信じられないような話だったが、
Rさんは仕事熱心で真面目な人だ。
彼女が大きな目を見開いて、
「絶対に。絶対にほんとの話なんです」
と言うからには、これは信じるに値する話なのだろう。
「とにかく毎晩PCにメールが来るんです」
当時、彼女は受験生だった。
憧れの先輩がいる大学に必ず合格する。
そして幼い頃からの夢である看護師に必ずなってみせる。
Rさんはそう心に決めていた。
受験勉強は辛かった。
Rさんが受験しようとしている大学の偏差値はかなり高く、
彼女にとっては少々無謀な挑戦だった。
学校。バイト、勉強。そして最近うまくいっていない彼氏との恋。
Rさんは何足ものワラジを履きこなそうとやっきになっていた。
疲れとストレスの溜まる、睡眠不足の毎日。
そんな日々に、そのメールは舞い込んだ。
『○月○日。努力は人を裏切らない』
日付は今日。
たった一行だけのメールだ。
差出人は不明。
メールアドレスは見覚えのないものだ。
「最初は??って感じでした。広告っぽくもなかったし。スパムかな、とも思ったんですけど」
間違いメールということにした。
しかし、それは一通だけではなかった。
それから毎日一通、約三百日間。
Rさんのパソコンにはメールが届き続けた。
<つづく>