おもちゃ箱のような博物誌
『アラマタ珍奇館~ブンダーカマーの快楽~』
/荒俣宏著
あやしいもん好きにとって荒俣はかかせない存在だ。
この本にはまた、まあよくこんなもん見つけてきたよ、
という珍品奇品を世界各国から集められている。
ざっと列挙するだけでも、文字を書く自動人形、鳥人の剥製、
ビン詰め写真、三本足のカエル、フランケンシュタインの手付き本、
人間および動物の畸形誌……といった具合で、
見るもの全部が面白いやら気持ち悪いやら珍しいやら。
写真もカラーのものがたくさん載っていてわかりやすいし、
何より荒俣氏が
「ホントにこういうあやしいもんが好きでたまらないんですよね」
という感じで書いているのがいい。
客観的に学術的に書かれたら、こういうモチーフは興ざめだ。
あくまで「物見高い」感じで書かれているほうが面白い。
大事なおもちゃを自慢しているような感じもいい。
僕的に面白かったのが、
「釈迦ヶ嶽(シャカガタケ)等身碑」。
江戸時代に活躍した巨漢力士の実物大の石碑である。
石碑といっても黒い簡素な石柱なのだが、
高さがなんと2.27メートル。
荒俣氏がこの石柱と並んでいる写真が載っているが、
氏の身長、183.5センチでも手を伸ばしてやっと頂を撫でられる程度。
成人男子の平均身長が160センチなかった時代に実在した力士の話である。
なんともワンダーでワクワクする話じゃありません?
ちなみにこの碑は東京都江東区の富岡八幡宮にあるらしい。
お近くの方が羨ましい限りだ。
これを読んでつくづく思ったのだが、
荒俣氏が博物館の冊子を作ったらさぞかし面白いものが出来るだろう。
贅沢な話ですが。