真一としては、お互いの都合がなかなか合わず久しぶりのデートだということもあって、張り切っていた。しかも、今夜は時間を気にしないで過ごせる貴重な時間も控えている。

そんな気持ちがりょうこにも伝わったのか、お互いにテンションが高い散策が続いた。鎌倉には、隠れ家的な美味しいお店がいっぱいあり、今回の昼食はりょうこがチョイスしてくれた。

食事の途中、真一がトイレにたった。
「ビール飲み過ぎよね^_^」 りょうこは笑顔で送り出したが、不思議なことに10分経っても帰って来ない。なんとなく不安な気持ちになりながらも、りょうこは女友達からのLINEに応答しており、忙しかった。

ようやく戻ってきた真一は、明らかに様子が変だったのである。

「お腹でも痛いの? 昨日、変なもの食べたんでしょう?」  りょうこの問いかけにも、真一は返事も出来ないほどだった。異変を感じたりょうこはどうしていいかわからなかったが、真一を信じて、そっとしておくことにした。

食事が終わって、歩いていると、真一の口から、信じられないことが漏れて来た。

「トイレでね、偶然半沢に鉢合わせしたんだ」
りょうこは驚きを隠せない表情をしながら、次の言葉を待った。


(つづく)