「おばあさん。もういちど、若くなってみたいと思いませんか?」
おばあさんは、驚いて、ためらうことなく答えます。
「いいえ」
その答えはやさしいけれど、、決然としていました。
「わたしにも、若いときがあったのよ。わたしの分の若さはもうもらったの。今は年をとるのがわたしの番」
彼女は人生の道のりの美しかったことや、山積みの苦難も知りました。
彼女の旅も厳しかった。
彼女の旅はこころ優しくもあった。
「もういちど、同じ道たどってどうするの?だってわたしに用意された道は、今通ってきたこの道ひとつなのよ。」

あなたはどう思うかしら‥‥?

著者/スージー・モルゲンステルヌ
セルジュ・ブロック
訳者/岸 惠子