7月初旬の土曜日。

真夏の日差しが、容赦なく照り付ける昼下がり。



田舎から、のこのこ東京にやって来た私は、

「都会の入り組んだ道に迷い混む」と言う、

わかりやすい洗礼を受けて、半泣きになっていた。





Googleマップを、何度確認しても、

空間認識、方向認識の能力に乏しい私は、

(↑方向音痴て言え)

目的地たるホテルにたどり着けない。



周辺にある飲食店やコンビニなどは、

見つける事ができるのに、

肝心のホテルに近付けない絶望。

  

マジで??

うそやろ?(←ほんまや)

ホテル、閉鎖されたんか??(←謎の飛躍)




最寄り駅から徒歩5分…… 

すでに、さ迷い歩くこと20分以上経過。

我ながら呆れる(笑)



アスファルトが熱々で、靴底が溶けそう。

汗だくで、さすがに疲れてきた。
 


漂う絶望感。



道行く人に、声をかけて、尋ねる勇気もなく。


もう、アカン…




そや、ホテルに電話してみよ…



と、その前に、水買お。

喉カラカラや…



10㍍ほど先に、ちょうどコンビニが見えた。

田舎やろうが、都会やろうが、

コンビニはオアシスやな、とか思いながら。



入って涼んで、店員さんが感じ良い人なら、

その方に聞いてもいいかも。。

などと考えつつ、コンビニに近づく私。



にしても、ほんまにビルだらけやなぁ。

このコンビニも、ビルの一階。

 
隣もビル。

へぇ、あれは、ホテルかぁ。







えっ?
 






ホテル???








え………






あーーーーーーーーーっっっ!!??



心の中では歓喜の絶叫。



実際は、小さな声で

「ここにあったんかい…」(←あったんや)



私の独り言は、都会の雑踏に染み込んで消えた。