ウクライナとモルドバがEU加盟交渉を開始した。


親露派のハンガリー首相が

EU議会議長になる前に

駆け込んだ感じ。


両国とも領土の一部をロシアに

占領されてる状況下での

加盟交渉開始となった。


ロシア支配下での 二級国民差別から逃れ

西ヨーロッパの

自由と民主主義に憧れてのEU加盟交渉。


特にロシアによる侵略戦争中のウクライナは

加盟交渉が長期にわたると思われる。


戦争しながらEU基準に合わせて

汚職対策はじめ

政治 経済など 全ての分野で

EU基準に作り直して

行かなきゃならないウクライナ。


EU加盟の夢は 果てしなく遠い。


非常事態で大統領選挙を

先送りしてるウクライナ。

次 親露派が大統領になれば

加盟交渉はご破産となる。


それはモルドバも同様で

EU加盟派の現大統領が

親露派に選挙で敗れたら

加盟交渉は無くなる。


古きロシア(ソ連時代)に

自由は無くとも

食べるのに不安が無かった時代を

懐かしむ高齢者を中心とした根強い親露派が

世論調査によると

25パーセント近く居て


モルドバも この先

どっちに転ぶか? まだ分からない。


ベルリンの壁が崩れたあと

多くの東ヨーロッパの国々が

EUとNATO加盟へと動いた。


みんなロシア支配から逃れたい一心で

長い長い加盟交渉を経験してる。


ヨーロッパでロシアが嫌われるのは

根深い歴史的背景がある。

特に ソ連共産党による

恐怖と弾圧 差別と抑圧の暗黒時代の記憶が

生々しく残ってるからだ。


白系ロシア人以外は

今も 二流国民扱い

ロシア連邦内の共和国は

共和国とは 名ばかり


完全にロシア政府の支配下にあって

ほとんど自由が無い。


そうした辺境共和国で少数民族中心に

動員も数多く実施され

ウクライナでの戦死者も 

圧倒的に有色少数民族出身者の

兵士が多い。


ソ連時代

東ヨーロッパの国々は

そうした二流国扱いを

ずうっと受けて来た訳で


冷戦終結後

カタチばかりの独立を果たしたモルドバの

ような旧ソ連邦構成国の小国は

気づいたら

今やEUとロシアに挟まれて

取り残された国々となってしまった。


そして 独立したとは言え

ロシア支配から完全に解放されたとは

言えない現実に直面してる。


エネルギー 食糧などで

ロシア依存体質が強く残っていて

住民の中にはロシア人も多数混じっている。


アルメニアのように

ナゴルノ=カラバフをめぐる

アゼルバイジャンとの対立で

ロシアに無視されたのを機に

EU接近を露骨に言い出す国も現れたり


何もしてくれないロシアから

カネもモノも積極的に支援してくれる中国に

接近して

独自路線を見せ始めた中央アジアの

大国カザフスタンみたいに


ロシアから有力な国が

どんどん離れて行く構図が目立つ。


今や 中国 イラン 北朝鮮の支援が

無ければ 戦争を継続出来ないロシア。


ウクライナ侵略戦争を続ければ続けるほど

ロシアは疲弊して行く。


しかし欧米西側諸国のウクライナ支援も

いつまでも続かない。


いずれ近い内に

ウクライナの負けを受け入れる時が

来るだろう。


問題は その後だ。

武力で他国の領土を奪うのを認めてしまった後の

世界は 無法地帯になる可能性が高い。


負けてはいけない戦に負けると

迎えるのは

暗澹たる世界だ。