447日目
誰にでもできる・桑野空手教室
おはようございます。
今日で震災から447日目です。
私に空手を学んだ生徒なら解ると思いますが、私は空手を教えるときに非常に細かいニュアンスや体性感覚などを伝えることを大切にしています。
言葉で全てを相手に伝え理解してもらうことは不可能ですし、
言葉を使用しないで伝えるには、学ぶ側の人間の能力に便り過ぎているようにも思います。
私の道場には外国人の方々が多いのですが、私は英語が話せませんし、外国人の道場生の方々も日本語を話すことは上手ですが意味をきちんと理解出来ているわけではありません。
そういう環境の中で先日こういうやり取りがありました。
指導中に私は蹴り技の説明を例にあげて、
「蹴り技においてはドッシリと構え、バランスが崩れないような安定はいりません。」
「蹴り技が上手になりたいのならば不安定さをコントロールできる安定感……不安定の中の安定を身につけて下さい。」
と言いました。
そうすると外国人の道場生は
「先生、蹴りは片足立ちになることは、ただでさえバランスが悪いのに、それを更に不安定にしなくてはいけないということの意味が解りません。」
私は
「自転車やサーカスの玉乗りは、もともとが不安定な乗り物ですが、それらに乗ったときに安定を得ようと停止していては安定を得ることはできません。それらの乗り物は動いているからこそ安定を得られるのです。」
「空手に必要な安定とは停まることではなく、身体の内面、関節や筋肉を柔らかく保ちそれらを競合させ、身体の内部で微細に連動させ意によって制御し続ける感覚が大切なんですよ」
って……説明したのですが、外国人の道場生はどうしても納得出来ない様子。
「私は外国人だから日本語の細かいニュアンスが理解出来ないのかもしれません。」
と語りました。
しかしその外国人(アメリカ人)との受け答えの中で、アメリカの文化でなぜ蹴り技が発達せずボクシングが好まれたのかという一端が理解出来たような気がしました。
彼等は蹴り技……即ち片足で立つということに関する認識が東洋人と根本的に違うのですね。
そこから来るコダワリが強く、どうしても東洋人のような柔らかいしなやかな蹴りになりずらいのでは?という仮説が浮かびました。
私からしたら意味は解らなくても、私が伝えるカリキュラムをきちんと勉強すれば最低でも私程度の蹴り技は身につくからいいのではないか?って思うのですがね………
自分がある程度出来るようになってから、私の言葉をもう一度反芻してみれば、また違った趣が得られるはずなんですが………
私は
「あなたが私の語ることの意味が理解出来ず、納得出来ないのならば、あなたが信じる蹴り方をされて下さい。これは強制ではありませんよ…上達へのヒントです」
と答え、そのことについての質疑は終わりました。
でもね……彼等が東洋人と同じ質の技が身につかないから弱いか?っていうと、そんなことはないんですね。
彼等は彼等の文化の中で培った、立ち方やバランスに関する理があるのですから、だから彼等と組手をすると強い弱いではなく、非常に戦いずらいですから……
ひとつ言えることは
「郷に入っては郷に従え」
という感覚があれば、もっと凄くなれるのに…という勿体ない思いですね。
私も今回のやり取りで何かに気付けそうな感覚があります。
こだわりと信念、そのバックボーンにあるモノが、空手を通してよく見えます。
それはとても楽しい学びの時間です。
全てのことに感謝して今日も頑張りたいと思います!
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