佐藤栄佐久 × 開沼博 講演会語録

誰にでもできる･桑野空手教室



【避難・疎開・保養班】の吉野です。

福島フォーラムで開催されました
佐藤栄佐久前知事と新進気鋭の社
会学者＝開沼博さんによる講演会
語録を（勝手ながら）紹介します。


佐藤栄佐久氏


開沼博氏


基本的に自分のメモとして起こし
ますので、御迷惑でなければ共有ください。



参加された皆さん、誤解や間違い
の指摘、補足などお願いします。



前知事は自分で撮影した飯舘村の
霧の風景写真から話を始め「危険
な村になってしまった」と嘆きました。



国に任せておけば大丈夫だろうと
する『構造的パターナリズム』が
問題と指摘し、結果的に「どうせ
国民は何も言わないだろう」とい
うオチになってしまうと懸念。



かつて社会は富士山型の成長を目
指していたが、私は八ヶ岳型
（知事就任後は阿武隈連邦型）を
理想とした。



２１世紀は更に進んでネットワー
ク型が求められると思う。


祝島を訪ねた際、質問に「原発を
作れば３０年間は人口が増えます
。しかし世代間の共生はできませ
ん。

子や孫の時代には巨大な量の廃棄
物が残るからです」と答えました。



これからは「そこに人災の危険性
が加わります。

結論は一人ひとりの県民が出して
下さい」と加えますとのこと。



地域の再生を考えると、合併した
村、しなかった村で差が出ました。

合併しなかった村では村人の気持
ちがひとつになり易かったのです
が、合併した村ではそもそものコ
ミュニティが分断されてしまいました。



双葉郡には約３００の神社があります。

３００の村、コミュニティがあっ
たということです。


今はそれがすっかり消えてしまいました。

イタリアに、食べ物を最も大切な
柱に考えるスローライフという生
き方があります。

までいな村づくりをした飯舘に通
じるものがあると思います。


私は県知事時代、常に、毎日、
リスクについて考えていました。

ちょっとした雨が降っても、県内
の状況を確認していました。


知事の体質が部長の体質になります。

部長の体質が課長の体質になります。

課長会の体質が県民の体質に繋がります。



現状が良くないということは、
その体質が腐っているということです。

今回の原発事故はこの腐った体質
が生んだ事故です。


これはファシズムであり「原子力
全体主義」と言えます。


役所の人間は法律とマニュアルで
しか動けません。


それを上回る“判断力”でやって
いきましょう。

一人ひとりが真剣に考えて行かなくてはなりません。


事故後、私のところには海外メデ
ィアが４０社以上来ました。

アルジャジーラまで来ました（笑）。


しかし国内のマスコミは北海道新
聞や河北新報を除いてほとんど来ません。

内部告発も国や東電に向かず、
福島県知事にしか寄せられませんでした。

エネルギー庁は双葉郡内に２２１
５０枚もチラシを撒き、原子力は
安全だと言います。



国が言うのだから、お前たちは黙
って従えという意味です。

事故後、保安院や安全委員会は何
をしましたか？私とやりあった経
産省の長官なんか、現地を訪ねて
さえいません。



今は政治と経済が一体化してしま
いました。


本来、政治と経済は別物です。

結果的に、経済が関係しない部分
は滅茶苦茶になってしまいました。



私は、郡山を頂点とするピラミッ
ド経済型社会にはしたくなかった。

神社圏というか、小さなコミュニ
ティ単位で考えたかった。
だから道州性には反対しました。



この体質のままでは、日本は３流
４流の国になってしまいます。

１０００年経っても２０００年経
っても、うつくしい福島を返して
欲しいと思います。




質問に応えて：廃棄物の遺棄場所
がない。

私も国にだまされたことがある。

モンゴルだなんて！



質問に応えて：原発だけの問題で
はなく、社会の構造にまで帰する
問題。

スイスでは村が一番厳しい基準の
条例を作れます。

日本とは逆です。私は大型店条例
など国に逆らう条例を３０以上も
作りました。

市町村も県民も自主的に動けるよ
うにしなければなりません。


ヨーロッパの常識には次のような
ものがあります。

市町村にとって一番の関係者は住
民そのものです。

自主・民主・公開が３大原則です。


この視点から今回の「時空を越え
た問題」に対処しなければなりません。



開沼さん語録


避難区域に（違法に）住み続けて
いる人に会った。

いまだに隠れ住んでいる人がいる
ことを知った。


「誰も検針に来ないから、電気が
使い放題」とのこと（苦笑）。


国からの政治か、住民からの政治
かで、だいぶ状況が違う。
真の自立なくして「脱原発運動」
は為し得ない。


上っ面のみの運動は１０年ごとに
繰り返すブームのようだ。
対話の不可能性が、やがて活動の
分裂を繰り返す結果になりかねない。


中央だけ見ていたら、解決にはならない。

それでは根本的な体質を変えることはできない。


現在では、廃炉まで考えた原発の
ビジネス（産業）に代わる規模の
ものは難しい。


このため、どうしても原発に頼る
傾向が強くなる。


再生エネルギーは、原発と同程度
の雇用を生み出せない限り、代替
えに及ばないのではないか？



「成長」をどうとらえるかによっ
て社会の在り方は変わるのではないか？


これまではエネルギーの伸長に応
じた社会基盤の成長が計画・実現
されてきた。



しかしある時期からエネルギーの
伸びに比べ社会資本の成長が鈍い
時代に入った。



着実・継続的な成長を望むよりも
、穏やかな減衰の中に価値を見出
していくこともできるのではないか？

（講演後、開沼さんに「自救避難」を巡る苦境について、とくとお伝えしました。
丁度本日の「東電への補償請求」の件（関係者の皆さま、お疲れ様です！よろしくおねがいいたします！）もお伝えしました。



社会学的にえぐって欲しいと思います）




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