友人からのメール
誰にでもできる・桑野空手教室
今朝、私と一緒に活動している
友人からメールがあったので転載します。
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最近福島の子供たちの内部被爆について二つの報道がありました。
報道にはいずれも
「微量で健康に問題がない量」と
書かれていました。
しかし、何を根拠に
「健康に問題がない」と言っているのかは示されていませんでした。
本当に健康に問題はないのか?
それについて様々な専門家はどう言っているのか?
ということについて、自分なりに調べたものをまとめてみました。
長いレポートになりますが、よかったら読んでみてください。
①「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」がフランスのアクロという検査機関に依頼して行った検査。
8歳から16歳までの子供たち10人の尿からセシウムが検出された
この検査を「子ども福島」ととも
に行った福島老朽原発を考える会
(フクロウの会)の坂上武氏は、
講演会で以下のようにおっしゃっていました。
「10名の方にですね、10歳から16歳のお子さんに、尿をとって。
尿をとったのは5月20日~23日にかけてなのですが、
フランスのアクロというフランス政府も公認する検査機関に依頼をして、
検査をしてもらった結果、
10名の尿からセシウム134と
137が検出された。
だいたい1リットル当たり1ベクレル程度ということになる訳ですけれども、検出されました。
この結果についてアクロの所長さんにも来ていただいたのですけれども、
量としては決して多い量ではありません。
例えば1960年代に核実験が行われたのですけれども、
この時に日本人の中学生の尿からセシウムが検出された時期がありました、
その時期の中では比較的低いレベルの値とほぼ一致します。
あるいは、ベラルーシの子供たちがチェルノブイリの事故を受けて20年後にですね、
尿検査をしているのですが、
そのレベルと比べるとひとけたぐらい低いレベル。
ベラルーシの子供たちは5ベクレルから60ベクレル。
ベラルーシの子供たちは、主要には食べ物からの内部被爆になります。
そんな風に、比較すると低いレベルなのですけれども、
内部被爆には2つ可能性があって
一つは3月15日~16日に放射性物質が大量に飛んだ時期に、直接吸い込んだ可能性。
その場合子供ならばだいたい
一か月ぐらいで生物学的半減期が
あって、
セシウムが半分ぐらいに減っていくということになりますので、
その減っていく過程で、検査をして検出した可能性があります。
その場合には、さかのぼればもっと内部被爆をしていた可能性があるということになります。
もう一つの可能性が食べ物で、
この10名のお子さんは、食べ物には非常に気を使われてい
る親御さんの子どなのですけれども、
それでも何らかの形で摂取している可能性はあって、
それで検出されている可能性があります。
この場合は食生活を変えないことには、同じような形でずーっと内部被爆が続くことになります。
何にしても今回一回の検査だけでは、その辺の所まではよく分からないということで、一ヶ月後にもう一回やろうということになっています。」
また、北海道がんセンター院長
西尾正道氏は7月4日 BSプライム
ニュース 「内部被ばく徹底検証」という番組で以下のようにおっしゃっていました。
「これは少ない量とはいえません。
内部被ばくは、ベーターは1ミリ。
アルファは40マイクロメートル
と非常に狭いエリアの被ばくです。
そこにはすごいダメージがあります。
ところが評価は全部の組織に換算して行います。
人間の体に60兆の細胞があれば、
ごく狭いエリアが被ばくしているのに、60兆の細胞全部に平均してしまうから、
見かけ上の数字はすごい少なくなります。
今回あるメーカーの人が測定した
ら、9割がヨウ素。セシウムが1割でした。
9割は半減期がありますからもう測定不能です。
全部消えてしまっています。
今回の検査は1割のセシウムだけを測っていることになります。
残っているセシウムも、生物学的半減期が100日以下といわれていますから、
もう半分以下になってしまっています。
実際には4割ぐらいしかガンマー線は残っていません。
96%は消えてしまっています。
測定できないのです。
96%は消えてしまい、4%の分だけでこれだけ浴びていますと考えなければならない。
たとえ96%が消えた状態でもいいから、
ランダムでいいから内部被ばくの
線量をおさえておいて、
一年後に同じ人がまた検査をやるという風にすれば、
これから以降は食品による汚染になりますから、今の食品暫定値が適切なのか?
もっと減らすべきなのかも、きちっとした議論が行えるようになります。
その意味でホールボディカウンタ
ーをランダムでいいからやるほうがいいと私は言っています。
いまさらやってもそんなにすごい問題になるようなすごい量が出るとは思いません。
思わないけれども、食品の規制値
を見つめ直す、貴重な科学的な資料になると思っています。
今回も、事故直後におしっこなど
を集めておけば、
放医研などが集めていれば、
かなり正確なデーターが出たのです。
それは、
本当は緊急時医療マニュアルの
最初の一ページ目に書かれているべきことなのだけれども、
それすらなかったことが問題だと思っています。
そうしなかったことで、正確な
データーを失ってしまいました。」
また、
放射線医学総合研究所の主任研究
員だった崎山比早子医学博士は、
Q.セシウムの安全基準というのは国際的にあるのでしょか?という質問に対し、福島市で開かれた講演で以下のようにおっしゃっていました。
「安全値というのは無いんです。
少なければ少ないほどいいという
のが基本になります。
昨日福島でお会いした人は、
放医研のホールボディカウンター
で見てもらったら1000ベクレ
ル以上あったそうです。
ところがそういう人でも放医研か
らは「健康に影響がない」と言われたということで、
ちょっと信じられないのですが・・・。
ベラルーシの子供たちの調査では
セシウム蓄積量が122ベクレル
/kgのグループと、
5ベクレル/kg以下の子供たちを比べると、
122ベクレルのグループの方が
血圧が高血圧や低血圧になる割合
が何倍にも増えたという健康影響
のデーターがあります。
ですから、1000ベクレル以上
で影響しないということが本当に
言えるのかな?と思います。
それから、
あんまりセシウムの体内汚染と
健康の影響というのは知られていないのですね。
チェルノブイリフォーラムという
IAEAが関与しているフォーラムで
はリスクを非常に過小に評価して
います。
先ほどのセシウム137蓄積量別
血圧データーのような、
東側の研究者の報告は、西側にはあんまり出ていない。
東側の研究者のBandazbervskyの
「大人と子供の臓器別セシウム
137蓄積量比較」
という論文にしても、発表されたのはつい最近です。
最近といっても2004年には
発表されているけれども、
日本の先生はほとんど知らない。
私は論文を見て、セシウムが甲状
腺にたまるというのをはじめて
知ってびっくりして、
いろいろな先生に伺ったのですけれどもみんな全然知らなかった。
ですから、セシウムの体内汚染が
健康にどう影響してくるかっていうのは、
これから研究されることなのではないかと思いますね。」
② 原子力安全委員会は、国と県
が3月26日~30日にかけて、
いわき市、川俣町、飯館町0歳~
15歳の千八十人の甲状腺被ばく
をサーベイメーターで調査したこ
とを明らかにした。
その結果、
最高値は一歳児の年間甲状腺被ば
く線量で50ミリシーベルトに相
当する毎時0.1マイクロシーベルトだった。
ほとんどは毎時0.04マイクロ
シーベルト以下で、年間被ばく線量に換算できないレベル。
基準値とした毎時0.2マイクロ
シーベルトを超えた子供は専門機
関で調査する方針だったが、対象者はいなかった。
この報道について放射線医学総合
研究所の主任研究員だった
崎山比早子医学博士に講演でお聞
きすると、以下のようにおっしゃっていました。
「これは、実効線量だから全部半
減期を入れて50ミリと言ってい
るのだと思うのですね、
ヨウ素剤を配る基準が100ミリ
シーベルト
(毎時0.2マイクロシーベルト)
ですから、
原子力安全委員会は安全だというのでしょうね。
50ミリシーベルトだったら、
ヨウ素剤も配らなくていいと。
でもWHO(世界保健機構)は
子供は10ミリシーベルト被爆す
るということが分かったら、
ヨウ素剤を配った方がいいと、
そう言っています。
ですから、
安全値はないということでいえば、
何人かは将来ガンになる可能性は
あるのかもしれません。
ICRP Pub.60によれば、
1000ミリシーベルト被爆すれば、
1万人に7.5人の甲状腺がんの発症
があると予測しています。
子供のリスクはさらにこの倍であり、
甲状腺ガンの致死率は10分の1と
いう予測になっています。」
先日、福島市で開かれた
「避難の権利」集会で、弁護士の
福田健治氏は、「避難の権利」の
中身について、
避難するべきなのか?というのを
決断するための「情報」が得られ
ることが重要だとおっしゃっていました。
先生のおっしゃる通り、
避難を決断するためには、必要な
情報が適切に得られなければなりません。
今回のような、尿検査やサーベイ
メーター検査で測定された放射性
物質の健康リスクについて、
ネットや講演会を渡り歩かなけれ
ば情報収集できないということではなく、
放射線リスクアドバイザーが、
分かりやすく福島県民に伝えるべ
きだと思います。
山下教授にそれができないのであ
れば、
「内部被ばくのリスクを重視し、
低線量であっても決してリスクは
小さくないという立場をとる医者」
を招へいすべきだと思います。
低線量被爆の健康被害は、
科学的には証明されていないわけですから、
安全派の学者だけがリスクアドバ
イザーを務めている現状は納得できません。
安全な説ばかりではなく、
リスクが高いという説も、合わせて説明して、
県民が正しい判断を下せるようにアドバイスしてほしいと思います。
誰にでもできる・桑野空手教室