なにもなくなってしまった僕は、自分が今まで捨ててきたガラクタの山へいき、使えそうな物を『ガサガサ』とあさっている。
この世の中を生き抜くための装備や武器を探している。
そこは常に紫色の空で、地平線を望めるほどだだっ広く、オイルにまみれた鉄屑や、砕けたコンクリートなどが散乱している。
探すのに苦労しているが、合成すれば使えそうなものはもういくつか見つけている。
ただ、肝心な何かが無い。
まるで何かに追われているかのように必死になって探している。
気付けば辺りはすっかり暗くなって、さっきまで吹いていた風も止み、大きな月を背にしていた。
『もうこんな時間か』そう呟いた僕の手に、チクリと痛みが走った。
月明かりで手を見るとひどく汚れている。
この汚れはオイルか、汗か、涙か、血か。
手に持っていた壊れたトランシーバーがどこからか電波をキャッチして『ジジジ』と鳴った。
僕はトランシーバーを高く掲げた。
懐かしい音楽が流れる。
これは、死んだじぃちゃん家の電話の保留音だ。
崩れ落ちて、むせび泣く僕を、月が笑った。
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