ジェームス三木さんが6月14日に91歳で旅立たれました。
驚いたけれど実感はいつまでも持てませんでした。

ジェームスさんとの出会いは、1974年のTBS連続ドラマ「私という他人」で始まりました。もう半世紀も前のことです。たくさん仕事をしましたね。

1990年 正月ドラマスペシャル「聖女(マドンナ)は春風に乗って」。息子役の香取慎吾さんがランドセルを背負ってリハーサルに来たのが懐かしい。
2005年 舞台「恋しぐれ」ではジェームスさんの甘えを許さない冷徹な演出ぶりが今も心に刺さっています。
2006年「最愛のひと」では北大路欣也さんと舞台での初共演を果たしました。ここではお客様をたっぷり笑わせるジェームスさんの演出に、真面目な欣也さんはすっかり戸惑っていましたよ。
それから8年後の2014年「あんた十手もった?」という不思議なタイトルの舞台公演で久しぶりに再会。しかも時代劇でミュージカルという驚きの仕立て。クライマックスで私は「人生」を歌いあげます。いくらなんでもまげをつけて着物を着てアリア(独奏曲)を歌うなんて!「私には無理!」と、抵抗したけれど・・・結果は、そこが一番お客様の涙と感動を誘ったシーンになりました。作・演出のジェームスさんに脱帽!
森啓次郎さんがジェームス三木さんを評して「将棋の駒の中で一番意外な動きをする桂馬飛びに似ている」と書かれているように、まさにそんな人生を送られたレジェンドです。
 
師走も近づく頃、有志を募って開かれた「送る会」の会場には、全国津々浦々から集まった親しい友人知人そして我々お仕事の仲間たち。そこには感謝、敬愛、慈しみの感情が溢れていたように思います。でもみんなどこか明るかった!

左から水谷八重子さん北大路欣也さん

一緒に仕事をした良き仲間たちです。

左から里見浩太朗さん渡辺謙さん

私たちの笑顔の向こう側には、「頑張ろうね!これからもいい仕事をしようね!」という感情が溢れています。

 

私は今確信を持って、「いい歳だからもうだめだ!なんて弱音は吐きません。生きて、生きて、白寿まで頑張るぞー爆笑」と自分を鼓舞しています。やっぱりジェームスさんはそこにいらっしゃいますね。頼りにさせてくださいませハートのバルーン