今から25年程前に、石原良純さんと舞台で共演したことを思い出します。

1998年、新橋演舞場で上演した「命燃えて」で、荻野吟子と、彼女を支えた年下の夫として共演した良純さんは、当時36歳。私は57歳でした。

舞台初日に石原慎太郎さんから届いた立派なお花。その後、私の楽屋の暖簾をわけて、「よろしく」とあいさつしてくださった笑顔がなんとも優しかった。

大作家・石原慎太郎さんもひとりの父親だったのですね。良純さんを通して、そんな一面に触れられたことが、忘れられません。

直後に都知事となられ、その後、お会いする機会はありませんでしたが、私にとっては「情の人」でした。

ご冥福を心よりお祈りいたします。