1976年の豊田四郎監督作品・映画「妻と女の間」。私が演じたヒロイン安澄は四姉妹の長女。原作者・瀬戸内晴美さん自身を投影した役どころでした。

妹役は大空眞弓さん、酒井和歌子さん、仁科明子さん。

この作品でご縁を得て以来、お手紙のやり取りだけでなく、対談やイベントでご一緒するなど、長いお付き合いとなりました。

苦しい時、辛い時にも優しく背中を押してくださる。私にとっては、いなくなる事が想像つかない、神のような方。

忘れられないのは、先生渾身の作、瀬戸内寂聴・現代語訳「源氏物語」。その全54帖すべてをオーディオドラマとして朗読し、112枚ものCDにするという機会を頂いた事です。

毎週スタジオに通いながら足かけ2年以上、先生の作品と向き合い続けました。私にとって何よりの誇りであり、思い出となりました。

 

寂聴先生は、何があってもご自分の思いの通りに人生を生き切った方だったと思います。

     ご冥福を、心よりお祈り申し上げます。