若い頃から憧れの大先輩だった京マチ子さん。
なかなかご一緒する機会がありませんでしたが、1994年の大河ドラマ「花の乱」で、私の演じた日野富子の大叔母・日野重子役で出演してくださいました。
初めて京さんとご一緒できた事がほんとうに嬉しかった・・・・。
以来、私の舞台の楽屋を訪ねてくださったり、細やかなお心づかいの差し入れを届けてくださったり。もちろん私も京さんの舞台を観にいきました。
石井ふく子先生の誕生日会などで親しくお話するのがいつも楽しみで、90歳を過ぎてなお、スラリとしたファッションに愛らしい三つ編みでお越しになった時は、すっかり魅了されてしまいました。
観に行って感想を京さんに報告したかったこの映画祭。
不思議なご縁で、夫の康夫さんの亡き父上・高橋通夫さんは全盛期の大映を支えた名カメラマンでした。この映画祭でも「いとはん物語」「浅草紅団」、そして「愛染かつら」の3本は義父が撮影監督として京さんを撮った作品なのです。
結局、仕事の都合で行けなかったけれど・・・・。
これだけ多くの実績を積み重ねながら、いつも自然体で優しいお人柄の京さんが大好きでした。私の目標。
やんわりと関西弁が混じった、あの語り口がもう聞けないのは寂しいです・・・。ご冥福を心よりお祈りいたします。
・・・佳子