母方のおばあちゃんのことが、

当時、世界で一番好きな人でした。

世界で一番好きで、

世界で一番安心感があって、

世界で一番、愛されている、と感じる人。

 

 

おばあちゃんは、九州生まれの人です。

詳しくはわかりませんが、

結婚していたひと(おじいちゃん)と

こっちに若いときに来て、

母、叔母、叔父の3人を産んで育てていたそうです。

 

おじいちゃんは、酒癖が悪く、ギャンブルもして金遣いの荒い人。

いつも家でお酒を飲んで暴れては、母たち3人に暴力をふるい、

おばあちゃんにも暴力をふるっていたそうです。

 

そんなおじいちゃんに嫌気がさしたおばあちゃんは、3人の子どもを置いて家を出ました。

その時のことを母は「捨てられた。施設に入れるからな、と父親からは脅されていた。もう駄目だと思った。」と

いつも悲しそうに教えてくれました。

 

きっと、母からしたら、

ろくでなしのおばあちゃん(母親)だったんだと思います。

 

 

おばあちゃんにとって、私は初孫。

それはそれは、かわいがってくれました。

きっと目に入れても痛くないほど愛してくれていたんだと思います。

色んなものを買ってくれたり、いろんな場所へ一緒に行ったり、

おばあちゃんが生まれた九州に連れて行ってもらったこともありました。

よくおばあちゃんの家に行っていて、

いつも手作りでおいしい料理を作ってくれていました。

具だくさんの炊き込みご飯、ヨーグルトとたくさんのフルーツを入れたデザート、

煮物やからあげなど、食べきれない食事をいつも作って待っていてくれました。

 

普段からあまり料理をしない母なので、

おばあちゃんの家で食べた料理が、私にとっての家庭の味でした。

すごくおいしかったです。愛情がたくさん入っていて。

 

いつも「ゆいちゃんは、本当においしそうに食べてくれるから、作り甲斐があるわ」とほめてくれるおばあちゃん。

そんなおばあちゃんの笑顔がもっと見たくて、

たくさんお代わりをして、たくさん食べていた記憶があります。

 

 

そんな大好きなおばあちゃんが、

私が高校2年生の時に、がんで亡くなりました。

 

乳がんで、一度は手術しましたが、

その時にはもう末期がんであることがわかりました。

1年、2年くらいの間だったと思います。

 

大好きなおばあちゃんなので、

私もよく病院にお見舞いに行っていました。

最初は、すぐに治ると思っていたし、

まさか末期がんだなんで知りませんでした。母からも聞かされていませんでした。

会いに行くごとにだんだん元気がなくなっていって、

私のこともわからなくなっていく様子を見て、

なんだか私はお見舞いに行くの怖くなってしまいました。

 

目の前にいるおばあちゃんは、

大好きなおばあちゃんというよりは、だれだかわからない人、という感じに思ってしまっていたのです。

それまでは頻度高く行っていたお見舞いも、

だんだん頻度が少なくなり、

部活が忙しいから行かない、という日が増えていました。

 

「もうそろそろ久しぶりにお見舞い行ってあげようかな~」

なんてのんきに考えていたある日。

母からとっても悲しそうな声で「おばあちゃん、今夜が山場みたいだから、今から病院に行くよ」と言われました。

 

「えっ…」

そんなにもう悪くなっていたんだ、

わたしがちょっと会いに行かない間に、どんどん病気が悪くなっていっていたんだ…

 

そんなことだったら、

もっとたくさんお見舞いに行けばよかった、

もっと大好きって言ってあげたらよかった、

もっともっと、たくさんの愛情を伝えたらよかった…

 

後悔が頭をぐるぐると回ります。

 

そこからお葬式が終わるまでは、本当にあっという間でした。

毎日泣いてました。

涙がとめどなく溢れます。

涙が溢れないときはないくらい。

 

母が泣いている姿は一度も見ませんでした。

どんな思いで、自分の母親の最期をみとったのでしょうか。

 

 

今でも、おばあちゃんのお墓参りに行くと涙が止まりません。

最愛の人を亡くした悲しみと、

自分の愚かな行動への後悔と、

色んな思いが溢れます。

 

 

何か悲しいことがあったり、

うまくいかないことがあったりすると、私はすぐにおばあちゃんのお墓参りに行きます。

おばあちゃんと会話をすることで、心の整理をします。

会話と言っても、おばあちゃんが話しかけてくれることはありませんが、

私が一方的に話しかけています。

 

なんだかわかりませんが、

きっとおばあちゃんが守ってくれているんだろうなと、日々思います。

今回体調を崩して休んだのも、

きっとおばあちゃんが「ストーーーップ!」と言ってくれたように感じます。

おばあちゃん、いつもありがとう。