落下の解剖学 | てるてる坊主

落下の解剖学

ラスト、盲目の息子が父親が落下したベランダを覗き込む。これが、何を意味するかは映画を観た観客に委ねられるが、裁判の最終弁論で、父親が飲んでいた抗うつ剤を誤って飼い犬が落ちていたアスピリンを飲んでしまい具合が悪くなり、動物病院へ車で向かう途中、 父親が息子ダニエルに いつかいなくなるなけとは覚悟して残る人間は生きていかなくてはならないと言ったことを、"それは父親自身が自殺する"ことを仄めかしたのではと裁判所でダニエルが証言したこと、これが陪審員に大きく影響したのはまちがいない。検察側も 息子のこの証言のインパクトは認めた顔をしていた。

裁判に勝った母親が帰ってくるのが怖かったとダニエルが母に発言。 息子ダニエルが 大事にしていた犬を危うく死なせてしまいそうにしたこと、自分が小説を描けなくなり、妻である母が夫のアイデアから名作を書いたことで母親を追い詰めるような喧嘩をしたこと、ダニエルからすると自分の目が見えなくなった事故も父親のせいだろうから、二階から父親を突き落としたのだろう??。

また、ラストシーンで、息子ダニエルと床で寝ずに、飼い犬と寝た母は、裁判で無罪の印象を陪審員に与えたアスピリンを誤飲か亡くなった夫から飲まされた飼い犬に対しての感謝からなのか?





人里離れた雪山の山荘で、男が転落死した。はじめは事故と思われたが、次第にベストセラー作家である妻サンドラ(ザンドラ・ヒュラー)に殺人容疑が向けられる。現場に居合わせたのは、視覚障がいのある11歳の息子だけ。事件の真相を追っていく中で、夫婦の秘密や嘘が暴露され、登場人物の数だけ〈真実〉が現れるが――