☆1昨日までのタイガース


 ファン歴45年のタイガースのコラムをお送りする。

 今季阪神は開幕のヤクルト戦で8-1で大きくリードしていたゲームをひっくり返されて痛い敗戦、それが尾を引いたのか開幕戦から実に9連敗という屈辱的な日々を過ごしてきた。

 1か月前にここで書いたときSNSで矢野監督への執拗なバッシングや心無いファンらがネットでの書き込みやファン総監督化が酷い状況だったので、小生は極めて冷静に前向き投稿をしたのだった。

 いくらSNSでも感情に任せた罵詈雑言での個人攻撃は穏やかではない。

 それに記録的な連敗だからと言ってバッシングしてみたところで野球をやるのは現場やし、正に言うは易し、行うは難しである。

 そこで、今回は前回書かなかった、いや、書けなかった本音も含めて書いてみたい。

 阪神タイガースは今季47試合を消化して17291分である(522日現在 以下数字も全て)

 当たり前だが、どこよりも勝数が少なく負け数が多い。勿論、ダントツの最下位だが5位のDANAとはもっか3ゲーム差まで縮んで来たが1位までは10.5ゲームと茨の道だ。

 丁度、1か月前はまだやっと4勝したところだった訳だが、あれから1ヶ月でチーム状況は多少はよくなっている。

 先ず、投手陣が素晴らしく相変わらずの投手王国である。

 チーム防御率は現在(数字は昨日までのもの)1位のヤクルトが2.83でやはり第1位だが、阪神はそれにつぐ2.92とセリーグ第2位である。失点もヤクルトと広島の1442トップで次いで第3位の阪神は147点である。

 大したものだ。いかに投手陣が踏ん張っているかだ。

 今季のタイガースは観ていて、いつも違和感を感じるのは、目の前の勝機を悉く逃していることである。チャンスはつくる、か、或いは貰う。これは1番の近本がシーズン当初から飛ばしていたからだ。明らかに調子は良かった。が、チーム成績不振や主力だったマルテの離脱で打順を組み替えて、近本は一時3番を任されていたがこれでは成績が上がりようもない。

 それで矢野監督以下首脳陣は佐藤輝明を4番から2番へ、その後3番と迷走が続いた。佐藤は2番でも3番でも自分のバッティングをするのみ、とインタビューでも答えていたし首脳陣もそれでええとお墨付きを与えていたものと思われる。やがてマルテが復帰して近本は1番、佐藤も4番に戻った。

 一昨日の巨人戦でも見られたが、近本や中野と言う逸材がチャンスを拓いてもクリーンナップが機能しないパターンが非常に多く散見される。

 野球は確率のスポーツだから毎回そのようなチャンスで結果が出なくてもそれで熱り立ってはいけないのだが、去年の良い時のパターンをファンはよく覚えているので、チャンスに弱い今季のタイガースには苦虫を潰される思いが多々あった。

 チーム打率が.224と最下位だがそんなことを言ったら5位のヤクルトだって.231だしトップの広島も.264と、37厘差である。つまりはどこもどんぐりの背比べと言う事である。

 それではどこをどう改善するべきかは数字が教えてくれている。

 ランナーが2塁、3塁にいれば1ヒットで得点出来る確率が上がるのだが、所謂得点圏打率を見てみたら案の定だった。広島がトップで.2992位が巨人で.258 で、あとは23分台だが阪神だけは.212とやはりドンジリ。次いでに記せば出塁率も他の5球団は軒並み3割台だが、阪神だけは.281と低調なのだ。

 得点圏打率を上げていくこと、そしてそもそもの出塁率ももっと意識して上げて行こう、と言うことだ。

 更に、それじゃ出塁率を上げる為にはどうしたらいいか?だが、これも数字が答えを出してくれている。

 出塁率は打たずとも挙げられる。つまりは四球を選ぶことだ。打者が打つ事で不安があったりしても試合に出なければならない場合、何を考えるか?と言うと例えば1塁に走者がいれば何とか進塁させようと考える。ヒットが出れば言う事はないが、自信が無ければ走者を進める為の安全策、バントか右方向へのヒット性進塁打を狙って行けばよい。こうした事は一軍の試合にレギュラーで出ている選手なら常識である。それをも叶わなさそうなら、ファールで逃げて待っている球を待つか、投手の根負けを誘う作戦が有効だが、今季の阪神はこのチーム四球がやはり最下位、そして打者として1番避けたいのがやはり三振だが、これも示すまでもなく阪神が6球団中1番多いのも事実。

 この辺にも改善の余地がまだまだありそうだ。

 つまりはやれることをやって行こう、と言う事だ。

 今年は近本、2番の中野は開幕から調子はいい。近本なんぞは孤軍奮闘で1人で出塁率を支えていると言っても過言ではない。

 そして注目すべきは盗塁数だが、これがセリーグトップの29だ。走って相手にプレッシャーを掛ける野球は去年調子の良かったタイガースのお家芸だった。この足を使って掻き回す野球が不思議と今年は実りがない。

 チャンスは出来るが、ここ一番でそのランナーを返せない。近本はよくやっている。中野も4月の後半辺りから打力が戻って来て、ヒットがよく出るようになったが、3番のマルテが復帰後も波に乗れず、ヒットこそ散発されるが、彼の真骨頂はやはりホームランだ。外人特有の芯に当らずとも飛距離が充分だとスタンド迄は余裕で運べる。それが土曜日には猛打賞を記録したものの、全て打球は詰まり気味、マルテ本来の当たりではない。これが日曜日引っ込められた真相だろう。マルテに本調子戻らないと阪神の浮上はキツい。佐藤と大山はそこそこ。佐藤は特に去年後半のなり振り構わず振る悪癖がなりをひそめ、今年は三振が格段に少なくなったし、大山はやはり一発が魅力。このクリーンナップの誰かが調子悪くても誰かがやってくれると言うのは敵からしたらやはり気色い💦問題は今は67番に甘んじている糸原である。この人は昨年、新安打製造機の異名を欲しいままにした。今季は開幕から全く調子が上がらずいまだに打率が1割台。こんなはずでは無かったがそろそろ暑い季節になってきたし丁度、今週からは交流戦に突入する。パリーグとの対戦で心機一転、一番頑張って欲しい選手である。ベテラン糸井は今年はスタメンでの起用が増えたので本領を発揮している。この人は昨年までのような代打ではやはりダメだと思う。そして問題はもう一つ、キャッチャーだ。

 今季のオフ、梅野はFA権を取得したがチーム残留の決断をした。矢野監督と確執があれば当然出て行くはずだが、ネットニュースはどこまでも信用出来ない。でいい筈だが、あれほど昨季の前半は打ちまくったのに今季はやはり乗れていない。この様に、昨季調子の良かった糸原、梅野がまるで打てない、と言うのが今季の打線の繋がりを断ち切っている大きな要因である。そしてそれは、今季からキャプテンに就任した坂本捕手の多用に因があると思う。

 梅野・坂本の両刀遣いは捕手出身の矢野監督の目玉だったのだろうが、これは結果的に投力は上げても打力が落ちる、一つの要因なのではないだろうか?と思っている。

 やはり得点圏打率のめちゃくちゃいい梅野が今季振るわずましてや出番が減った、と言うのはチームの士気に影響しているのではないだろうかと言うことである。

 勿論、ここで今季阪神タイガースの低調の犯人探しをしようとしてる訳ではないが、結局とどのつまりは監督やその首脳陣たちの采配や選手起用にそうした低調の原因が濃厚であると思わざるを得ない。



 そろそろ締めに入るが、兎に角今の強力投手陣が踏ん張ってさえくれて打線に火が点けば昨年前半の勢いが再燃してくるはずである。

 そして、この借金=負け越し数の意味 現在は12ある。 を少しでも少なくしていくこと、

その為にはやはり勝ち続けるしかない。連勝は長ければ良いが最低でも各カード21敗ペースやな。

 別に12連勝して貰っても全く問題ないのだが、そんなん期待はしたらあかん。

 それでもやっと借金0、勝ち越してはまだないのだから。

 勝つことへの執念を一つ見せ付けて欲しいものだ。

 残りまだ、100試合ほどもあるのだから、まだまだ先はある。

 ウルフルズが言うまでもなくいやー、やっぱ阪神タイガース、今年は頑張って欲しいがな。


心よりエールを送る。