☆五輪東京大会2020ことども
17日間に亘る五輪東京大会2020が終わって5日が経った。
今大会は前回の東京大会1964が成功裡に終わったその反動からか、兎に角開催までのプロセスに粗が露見しまくり、組織委員会から国から東京都に至る関係者たちの"過去から学ばぬ"そして準備や特殊要因だったコロナ対策も脆弱で、総理の掲げた 安全安心のオリンピック と言うスローガンが果たして行われたのか?大いに疑問の残るものとなった。
大会運営に対しては批判の的になりイメージアップを狙っていた現政権も大会が終わった後の世論調査では支持率が下げて不支持率が増してしまった。
国民は素直に競技の中での選手たちの頑張りに感動をし満足はしたが、運営側の大会に向ける手の抜かり様には納得はしていまい。
そんな不測の事態だらけの部分を片時ほど忘れてさせてくれた感動の名シーンを私見で追ってみたい。
今回はフジテレビのアナウンサーが活躍をした。
先ずは、倉田大誠が叫んだあの競技から。
"真夏の大冒険"は13才という未だ幼い西矢椛選手を端的に表したフレーズであろう。
そして女子スケートボードのストリートでは倉田の実況をボカすほどの解説者瀬尻稜の若者言葉の解説も話題に。
実況の倉田アナはこの仕事の為に解説の瀬尻稜にスケボー競技を教わり、身体で体感したと言う。
だから敢えて瀬尻稜の繰り出す軽薄な感嘆符をしっかりと視聴者に伝えるべく、…あのぅ、ゴン攻めとは?と聞けたのだと思う。
これはアナウンサーの姿勢として実に立派であった。
解説者とのコミュニケイトを通して最高の仕事だったのである。
そして同じ日、7月25日には男子柔道阿部一二三が兄妹で金メダルを獲った歴史的実況であの名フレーズが飛び出す。
同じフジテレビの竹下アナウンサーの面目躍如。
しかし、今回の五輪から新しく加わったスケートボードは明らかに他の演目にはないムード全開で観ている方も"ビッタビタ"になった。
何だか分からない内に繰り出される技にやはり実況と解説は不可欠だった。
パークの54と言うキメ技ですら何がそんなに凄いのか分からずスローで観て初めて…なるほど凄いと認識する有り様であった。
その中からやはりフジテレビアナウンサーの森昭一郎の"夏の桜は早くも咲いたか?"のシーンをどうぞ。
パークでは世界選手権金メダリストの岡本碧優の決勝、涙の失敗の後に出場選手たちがそのチャレンジを讃える胴上げがしっかりとカメラが捉え森アナも、余すとこなくそこをしっかりと伝えた。
阿部兄妹に続き、レスリングでも姉妹での金メダル🏅が話題になったが、試合以前に報道で妹の友香子のドキュメントを観てネガティブな友香子に感情移入してしまったのが、運のツキであり目が離せなくなってしまった。
川井友香子の金メダルは↑ココをタップする。
そして日テレの佐藤義朗がお姉ちゃんの金メダルの瞬間を絶叫で伝えて姉妹での金を感動をもって実況した。
梨沙子がスタンドの妹にドヤ顔で応えた感動のシーンとなった。
川井梨沙子の金メダルは↑ココをタップする。
一方野球は日本は予選から無敗で通したが、実況の方は惨憺たる荒れようで、TBSのベテラン初田アナらしからぬ見誤りが目立ち、解説の宮本慎也に度々訂正される失態を演じてしまった。
日本は独特の結束力で強豪アメリカの反撃を寄せ着けず長年の悲願だった金メダル🥇をもぎ取った。
今大会は、一年の延期からさまざまなドラマが生まれたが、やはり金メダルが確実視されていたベテラン勢が悉く敗退して、その調整の難しさをまざまざと見せつけられて、勝敗は残酷なものとなった。
体操の内村、バドミントンの桃田、陸上400mリレー、テニスの大阪なおみ、錦織圭…などメダル候補者たちが次々と敗退して行ったことに、我々は易々と文句はつけられない勝利への茨の道の険しさを嫌がおうにも見せつけられる。
実はそこにこそ、観ている我々は学ぶべきところがあるはずなのだが、どうしても煌びやかな金メダルに目が行ってしまう。
ロンドン五輪から正式種目となった女子ボクシングは入江聖奈の天真爛漫な明るさに、世界中が酔いしれた。
闘う前からニコニコと、正に五輪と言う大舞台を愉しんでいるかのようなそのキャラクターはどれだけの人を励ましたであろうか。
最後の金メダル決定の瞬間は、相手のペテシオも笑ってしまうほどの狂喜乱舞で引いてしまったが、会見では、大学卒業でボクシングも辞めますと爆弾発言でもケロっと言えてしまう程の強心臓振りで彼女ならどんな世界でも上手くこなせるだろうと思わせる。
さて、今回は五輪と実況について少々熱く語ってしまったが、やはり五輪放送に於いては実況が花形であり、どんな名実況が飛び出すかがもう一つの関心事ではある。
そんな名実況の頂点に立つのは2004年のアテネ大会での男子体操での冨田選手の伸伸の伸月面宙返りのシーンでNHKの刈屋アナウンサーが思わず叫んだあの栄光への架橋のフレーズは、全くのアドリブだったと振り返っているが、奇跡としか思えない見事に感動を共有できたシーンである。
語っていたらキリがない五輪の名シーンだが、他では卓球の混合ダブルス水谷伊藤ペアの金メダルや池江璃花子の感動の五輪出場など名場面は数知れないが、より詳しく観たい方は明日と来週の土曜日の同じ時間帯(21:00〜22:00)に、NHKで放映される五輪のハイライトをご高覧頂ければ偏りのないドキュメントになっているはずである。