ダ・ヴィンチ・コード | スライダーズおやじ

ダ・ヴィンチ・コード

ダ・ヴィンチ・コード ムスメが中学の図書館で借りてきたので、読んでみました。
久しぶりに外国モノで面白い本にあたった気がします。今、二回目を読んでいるところです。

イギリスに留学していた頃、下宿先の大家さんに連れられて、地元の小さな教会の礼拝に行ったことがありました。
その教会は、僕のよく知っているプロテスタント、カトリックといったものではなく、ちょっと地下組織的な匂いのする、恐怖の体験でした。

なんか、それまではとてもツンケンした、他人行儀な大家さんだったのですが、その礼拝のときは、共犯者的な微笑を僕に向けていた覚えがあります。

この作品に出てくる、さまざまな隠れキリスト教と共通点があるようなないような。

あと、ルーブル美術館に行ったときのことや、モナリザとの対面を思い浮かべ、なんか、若い頃にトリップしたような、懐かしい気がしました。

話し自体は、なんていうんだろう。・・・五島勉みたいな世界ですね(笑)
キリスト教が、人類の争いと共存共栄する血まみれの宗教だっていうのはすでに一般常識なわけで、教義の屋台骨がぐらついたところで関係ないというか、それによってキリスト教の人が改宗するとかといったこともないだろうし、こうした裏話はさもありなんさもありなん、と読みました。
それこそ僕の中では、宇宙人がどうしたという世界と同等の話しです。

話しの纏め方がうまいし、登場人物も少なく、単純に楽しめる本でした。
ミステリーサスペンスとしても最上級の楽しさを与えてくれることでしょう。

著者:ダン・ブラウンのインタビューに次のようなものがあります。

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■この小説で語られている歴史は学校で教わったものとちがうのですが、どちらを信じればよいのでしょうか。

 文字による記録がはじめられて以来、歴史を記してきたのは“勝者(敵に打ち勝って生き延びた社会集団や信仰体系)”です。こうした形の記述は当然偏ったものになりますが、現存する記録と照合することによってはじめて、教えられてきたものがどれだけ“歴史的に正確か”を測ることができます。わたし自身もそうですが、多くの歴史学者は、正確さを測るためにはまずおのれに非常に深く問いかけなくてはならないと考えています。歴史とされているもの自体がどれほど正確なのか、と。
http://www.kadokawa.co.jp/sp/200405-05/cts04.html
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僕も東京裁判を現在に引きずる日本人の一人として、この意見にはとても共感できます。
また、同時に

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■『ダ・ヴィンチ・コード』に“反論”しようとする本や講演がにわかに増えてきたのをどう思いますか。

 増えれば増えるほどうれしいですね。この重要なテーマを精力的に話し合うほど、わたしたち自身の霊的な部分への理解も深まります。論争と対話は概して宗教に有益です。宗教の真の敵は無関心のみであり、熱心な議論こそ最良の対抗手段でしょう。
http://www.kadokawa.co.jp/sp/200405-05/cts04.html

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まったくその通りだと思います。
主題であるキリスト教を、現代日本と置き換えて読むのも一興です。



今年の5月20日に映画が上映になりますね。予告編もすごくかっこいい。
トムハンクスが好きなので、期待しています!

監督:
ロン・ハワード(「ビューティフル・マインド」「アポロ13」))
出演:トム・ハンクス(「ターミナル」「グリーンマイル」)
    オドレイ・トトゥ(「アメリ」)/ジャン・レノ(「クリムゾン・リバー」「レオン」)
    イアン・マッケラン(ロード・オブ・ザ・リング)/
    アルフレッド・モリーナ(「スパイダーマン2」)


(あ。その前にSAYURIの前売り券、早く使っちゃわないと・・・。いつまでだっけ・・・。)