鳩笛草/宮部みゆき | スライダーズおやじ

鳩笛草/宮部みゆき

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なんか最近、短編ばっかリ読んでる気がする。
えっと、この本に収録されている3作品を流し読みしました。
3作品それぞれ、女性超能力モノ・・・といっても、ティーンズSFモノのような派手さはなく、地味で暗~い世界です。

▽1つ目、『朽ちてゆくまで』
おばあちゃん子の主人公OL。おばあちゃんの遺品を整理していたら、両親が撮影していた自分の幼い頃のビデオをみつけてしまう。
・・・うーん。なんか中途半端。投げっぱなしな印象。思いついた設定の説明だけで終わってるかんじ。描写ばっかでヤマがないぞ。

▽2つ目、『燔祭』
歳の離れた妹を殺されたサラリーマン。その復讐を手助けしたいと申し入れてきたのは、目立たないバイトの女の子。彼女はモノを見つめるだけで火をつけることができるという超能力を持っていた。
・・・宮部みゆき作品ではとてもめずらしい、続編『クロスファイア(上・下)』につながる作品ということで、それを読むために読んだ。リアリティー追求に精を出す反面、やっぱり投げっぱなし。続編に期待します。

▽3つ目、『鳩笛草』
触った相手の心や、モノの記憶を感じ取れるという、健康を害している女刑事の話し。
・・・3作品の中では一番ページ数もあり、また完成度も高く、まあまあ面白く読めました。

3作品の主人公(燔祭では主人公ではない)は、どれも救われない印象。宮部みゆきは「特殊能力を持つ」ということのネガティブな面だけを強調したいのかなって印象が残った。ひょっとして、宮部本人が能力者で、その悲哀を書き残したかっただけか? 将来のカミングアウトの布石を打ってるのか? みたいな(ナイナイ)

この手の作品は、どういう層が喜んで読むんでしょう?
なんか、そんな謎を残された感じです(笑)