馴れ初め② 二股になります。
空気が動いた。
気付いたときには、Kさんの顔が目の前に来ていて、
目を閉じたときには、Kさんと私の唇は繋がっていた。
想いも繋がった瞬間だった。
どうしようもなく嬉しかった。
嬉しすぎて涙がこぼれた。
幸せな時間だった。
車の外だけ時間が止まればいいのに。
このまま朝が来なければいいのに。
月並みだけど、そんな風に思った。
けど、同時にどうしていいのかわからなくなった。
この人を選んで、彼氏と別れる・・・?
二年半以上付き合ってきた人と?
嫌いになったわけじゃないのに?
今起きた出来事は非現実過ぎて、
リアリティがなかった。
そんなこと、ほんとにできる?
そうして出した答えは、自分でもずるいと思った。
今、彼氏と別れることは考えられない。
Kさんの事は好きだけど、
友達でいて欲しい。
ここまできて友達なんて無理に決まってんのに。
二股だよ。
でもそう素直に伝えても、
Kさんは何にも言わなかった。
言えなかったんだと思う。
自分に負い目があったりして。
もうすぐ学校が始まる。
こっちにいられるのもあと1週間。
その日は、明後日遊ぶ約束をして別れた。
明日は彼氏と会う約束をしてるから。
気が重かった。
今まで付き合ってきた人とは、
告白されて、まぁいいかなと思って
付き合ってきたのばかりだったから、
これが私の人生においての、
初めての両想いだった。
大事にしたかった。
大事にするためには
もう1つしか道がないことも分かっていた。
別れなきゃ。
でもなんて言って?
それが分からなくて、
その日は眠れなかった。
まだ続きます。