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PRO4チューブラーがバーストし、ようやくイクシオンに履き替えるチャンスがやってきた。

前回のコンチネンタルに続き、またしても2000km持たないで召されたチューブラー。さっさとタイヤ探しの旅を終えないと金がかかってしょうがない。

海外通販などでまとめ買いとか出来れば相当安く済むのだが…。


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今回試すタイヤはマビック イクシオン プロ。チューブラータイヤながらインナーチューブを持たないチューブレス構造のチューブラーである。

≪追記…輪切りにしてみると思いっきりブチルと思われるチューブが入っていた。新品ではケーシングに接着されているようである≫
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考えられるメリットはチューブが無くなる事による軽量化、ケーシングとチューブとの摩擦が無くなる事による転がり抵抗の削減だが、メーカーは特に転がり抵抗についてはアピールしていない。


もう一つのこのタイヤの特徴が前後で別のコンパウンドである。

フロントはグリップ重視、リアは転がり抵抗の低いコンパウンドがセンターに採用される。

コーナリングのグリップを稼ぐためにサイドのコンパウンドをソフトにするタイヤは多いが、センターにグリップの高いコンパウンドを使うと言うことはブレーキ性能の確保が目的なのだろう。

巡行時は確かに後輪荷重の割合が多いので、リアだけでも転がり抵抗の低いコンパウンドに変える効果は大きいので、これは合理的な方法と言える。

《追記…リアのコンパウンドは対パンク性を考慮して硬いものが使用されているようで、転がり抵抗はフロント用の方が低いようである。》

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しかし小生は更に転がり抵抗重視でリア用のパワーリンクを2本購入した。

店頭には2セットのイクシオンがあったが、リアのみ無くなってフロント用が2本あっても買う人はいないだろうから店側にはいい迷惑だろう。…Nシマさんごめんなさい。


リムにはめるのはPRO4よりちょっと硬いくらいだろうか。

タイヤのはめ込みも3回目ともなると慣れたもので、特に問題は無い。

今でもコンチネンタルなら苦労するのだろうか?

ハマったタイヤの精度は今まで使ったタイヤの中では断トツに高い。

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ただ、バルブが十分顔を出してくれないのはちょっと不便。PRO4は直接空気を入れることが出来たが、35mmリムでもエクステンションが必要である。

バランサーウェイトはPRO4にくらべ、フロントで-10g、リア-5gとかなり優秀。コンペティションやPRO4では1mmほどあった縦振れもイクシオンはほんの僅かで、センターもだいたい出ているので、そのままテープを引き抜くだけで作業は終了してしまう。

重量を測定してみるとタイヤだけでPRO4から110gの軽量化。


これで走行性能も良いとなれば、大手タイヤメーカーの面目丸つぶれであるが、ここまでの感触は非常に良く期待値は高い。

空気圧を6barに合わせ出発。(後で調べたら推奨気圧は7~11bar)

第一印象は…硬い。

路面のデコボコを丁寧に拾い、ゴツゴツとデリカシーの無い突き上げが続く。

この感触はブチルチューブのコンペティションに近いが、こちらの方がコンパウンドが硬質な感じ。

硬いと言っても、セダンからスポーツカーに乗り換えたと言う感じで無く、高級セダンから古い軽自動車変わったような感じ…いや、PRO4チューブラーに比べると軽トラのようである。

PRO4は路面のデコボコを巧みにいなし、タイヤが消し去れない振動はフレームが吸収してくれるような絶妙な乗り味だったが、YKSIONはフレームとタイヤがちぐはぐで、どちらも機能出来ていないような印象である。

これで転がりが良ければ、硬さなど問題ではないのだが、走り出しが取り立てて軽い印象も無い。

期待していた転がり抵抗に関しては特にメリットは無さそうである。だからこそメーカーも特にこの点はアピールしていないのだろう。

最大のメリットである上り坂でダンシングをかけて見ても特にメリットは感じない。

逆にコンペティションからPRO4に履き替えた時にも60g程の重量増だったが、それで重さを感じる場面も無かったし、同じようなグレード同士を比べる場合あまりタイヤ重量は気にする必要はなさそうである。

《追記…イクシオンをスペアタイヤとして携帯していたが、パンクしたCorsa ELITEから交換したら羽根の様に軽く感じた。

低い空気圧とブチルチューブのせいで転がりが悪いと感じたのかも知れないし、この頃はカーボンリムの軽さに慣れていなかった為にタイヤ重量に鈍感だったのかも知れない。》


ただ、ホイールと言うのはペダルのトルク変動に合わせて忙しく加減速を繰り返すので、ホイールの最も外周部となるタイヤの100gの軽量化はヒルクライムでは30分程度のステージで15~20秒程のアドバンテージにはなるだろう。

フレームやスポークテンションが変わっているので今までのタイヤと比較が難しいがケーシング剛性は不足なく、コーナリング性能に関しては全く不満は無い。


空気圧を6barから8barまで上げて見たが、大して転がりが良くなる訳でも無いのに乗り心地は大幅に悪化した。最低気圧付近でもコシがあるし、ラテックスのように空気が抜けやすいこともないので、空気圧を上げるメリットはあまりなさそうである。

高い形成精度やバランス、そして軽さと、このタイヤの総合性能が高いことは間違いない。加えて2、3日で空気圧が下がらないと言うのもやっぱり心強い。朝入れて夜にはヘコヘコのラテックスは輪行などでやはり心ともない。だが、ヒルクライムのレースならこの軽さは間違いなく武器になるだろうが、特に体感的に軽快感があるわけでもないし、転がりもPRO4と変わらないとなれば、普段使いで乗り心地の悪いこちらを選ぶ理由も見当たらない。

25mm幅にすれば転がり抵抗は更に減るだろうし、小生のタイヤ探しの最終地点に1番近いのは今のところPRO4と言えるだろう。





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