かみなりが落ちた と、人が騒いでいる。
公園の樹が焦げていると口々にはなしている。
それを聞いて僕は思う。
桜の花が咲いていた頃、あのたおやかな枝を持つ樹が、安物の縄跳びのヒもがぶら下がっている樹が焼かれたのだろうか。
僕をつなぐ鎖と鉄球と重たい甲冑と。
暗い部屋に射す眩しい月明かり。
それが綺麗だと思えた自分はどこへいってしまったのだろう。
ベランダに出て桜に囲まれた公園を下向に見ている。
明るい気分の時の自分を思い出している。左手には漫画のように虹が出ていた。
サンバカーニバルのように明るい活気がそこから風の旋律を具現化している。
風を絵に留めるならば、揺れる桜を見ればいい。時折吹く突風は、何百もの花びらの衣装を着て斜め上から下へ、また右から左下へ、左から右下へ。桜の衣装を着た子供たち。