私は、妹をいじめた。
幼稚園の入園式の日、私は、楽しみではちきれそうにしている妹のミッフィーの柄のキラキラした黄色い通園かばんに、黒マジックで落書きをした。かばんいっぱいには描かれたミッフィーの白い部分が全部隠れるくらいに油性マジックでぬりつぶした。明るくて、人なつっこくて、優しい妹のかばんに落書きをした。希望いっぱいだった妹は、涙をいっぱい流して泣いていた。大声をあげて泣いていた。妹がたくさん泣いている中、家族総出でインクを消そうとした。水をしみこませたティッシュで、ゴシゴシとこすっていたが、油性マジックだから消えなかった。そのうち消えると思っていたから、全然消えそうもない真っ黒なカバンを見て驚いた。ミッフィーは私にあの優しい笑顔を見せてはくれなかった。そのうち、黒マジックのしたから、愛らしい顔があらわれてくると思ったのに。
私は体が弱く、コミュニケーションもうまくとれなくてよくわがままに泣いていた。
小学校でも、幼稚園でも、ふと寂しさが襲ってきて泣いて怒っていた。
薬さえのんでいれば、勉強もできたし、クラスで一番足も速かった。
だけどひとつ年上の意地悪なかたまりみたいな上級生とその兄に、しもやけの足を楽しそうに踏まれたりしていた。
行き帰りのバスの中では、私が最後に降りる。
私が降りる前に降りるのは邪悪な兄弟だった。
同級生が1人降り、2人降り、最後には、邪悪な3人が残る。私はその時間が恐ろしかった。
弟が、滅茶苦茶に私を冷たく罵るのだ。錆びたナイフのような態度で私を睨みつけ、徹底的にわたしはいじめられた。
私はすでに妹をいじめていて、いじめがいけないことを理解していなかった。「弱肉強食」。私は、より残酷に人を傷つける人間があらわれて、縮みあがってしまった。
「世の中は怖い」と。
みんなが綺麗事を言っているように見えていた。私が長くいじめに苦しむようになったきっかけは、私自身が妹をいじめたことにある。
そう、赤毛のアンのような妹を私がいじめたのだ。
小学校で年齢を重ねるたび、より邪悪な人々があらわれて私を踏みつぶしていった。