生まれながらの悪人っていないんです。
あ、ディオぐらいです。
僕、スクールウォーズで川浜高校の山城校長が滝沢賢治をスカウトする時の言葉を今でも覚えているんです。
校内暴力の新聞記事を見せて
「滝沢君、どう思ったかね?こいつら、救いようのないガキどもだと思ったかね?まあ確かにこういう手合いは自己中心的で利己的で短絡思考でどうしようもない連中だ。だがね、滝沢君。こういう連中だって生まれた時から歪んでいたわけじゃない。小さい頃はみんな素直でいい子だったんだよ。そういう素直な子どもたちがいつの間にか歪んでしまった。いいのかね?このまま放っておいてもいいもんだろうか?ほんのちょっとしたことなんだよ。ほんのちょっとだけ連中の気持ちを切り替えてやることができたら、またちゃんと元に戻ってくるんだよ。」
この山城校長の言葉が当時めちゃくちゃ僕の心に刺さったんです。
2008年秋葉原通り魔殺傷事件
この加害者加藤死刑囚の死刑が執行されたそうです。
彼はこんな幼少時代を過ごしたそうです。
母親にお風呂で湯船に入っている間に九九を暗唱しなさいと言われ、間違えるとお風呂に頭を押さえられ沈められた。
耐え切れずに泣くと、口にタオルを詰められて、その上からガムテープを貼られたりした。
泣くたびにスタンプをカードに押されて、それが10個たまると屋根裏部屋に閉じ込められた。
家族との食事は会話がない。食べるのが遅いと、食べきれなかった分を新聞の折り込みチラシにぶちまけられて、そこで食べさせられた。
小学校に来ていく服はすべて母親に決められていた
高校は自分の希望を変更し、母親の母校に進学
あの子と付き合うのは止めなさいと、交際を禁止された
宿題の詩や作文は、母親が手を入れたり、母親がほとんどやったりしていた。
ひとつひとつの行動に「レール」が敷かれていた。
そして母親の要求に、愚直に答えようとしていたんだそうです。
殺人者や犯罪者ってどうやって作られるのか?
本人のせいだけじゃないんです。
私たちはどうやって人と関わっているのかをもう一度よく考える必要がる気がしてなりません。
報道されていませんが、この加藤死刑囚には弟がいて、その弟はもちろん兄が殺人者ですからまともに生活ができません。まわりからひどい仕打ちを受けます。なので引っ越しに引っ越しを重ねる生活だったそうです。
それでも引っ越しするたびにマスコミは引っ越し先を嗅ぎつけて追いかけてきては付きまとっていたそうです。
そしてそれに耐えきれなくなった弟は自殺したんだそうです。
弟に何か罪はあるんでしょうか?
マスコミに罪はないんでしょうか?
人はどうしてもっと分かりあおうとしないのでしょうか。
ジェノサイド戦争はまだ続いています。
何もしなくたっていずれ人は死ぬんです。
なのにどうして死を早めようとする行動を人はするのか、やるせない気持ちが湧いてきます。