Q:タマゴを食べるとコレステロールがあがる?
A:そんなことはありません。
これはロシアのアニチコフという人の実験からきているようです。
草食動物のウサギにタマゴを食べさせたら、血中コレステロール値があがったというものです。
雑食動物ではあがりません。
20世紀はじめに、ロシアのアニチコフがウサギを使ってコレステロールの実験を行いました。
コレステロールを摂取させつづけたところ、ウサギの動脈には、コブのようにせり出したアテローム(脂肪の沈着、粥状隆起)が見られ、そこからはコレステロールの結晶がみつかりました。
そのため、コレステロールを過剰に取りすぎると、心筋梗塞や動脈硬化の原因になると結論づけられ、多くの人が今までそのコレステロール神話を信じ続けてきたわけです。
しかし、犬で同様の実験を行った場合、血管壁に傷をつけない限り、アテロームはできません。
コレステロールが最も多く含まれている卵を、人が一日に10個食べ続けるとどうなるかという実験を、国立栄養研究所で行った場合も同様にコレステロール値は上昇せず、アテロームはできませんでした。
つまり、アニチコフの実験は、草食動物のウサギを使った結果で、肉を食べる人間には当てはまらない実験だったわけです。
人間のばあい、牛肉や卵をたくさん摂取しても、余分なコレステロールは体内から排出される仕組みになっていますから、本来ならば、コレステロールが血管壁にたまりアテロームを作ることは無いのです。
卵はプロテインスコア100の完璧なタンパク質を持ちます。
またレシチンや貴重な含硫アミノ酸が含まれています。
摂取しないと逆に体に悪いのです。
レシチン(ホスファジルコリン)はHDLの中にたくさん含まれコレステロールを肝臓まで運こび、さらに胆汁酸として排泄するといった働きがあります。
可能であれば1日2~3個は食べましょう。
タマゴを食べられないのはタマゴアレルギーの人です。
こういう方は粉末プロテインなどを利用してタンパク質を補給しないと、まずタンパク不足になるでしょう。
ただし、プロテインスコアの高いものを使わねば意味がありません。
基準の甘いアミノ酸スコアはとりません。
血中コレステロールも多いだけでは何も悪さをしません。酸化するから悪いのです。
これはいずれ詳しく解説します。
酸化したコレステロール、つまり変成LDLが動脈硬化の原因になるのです。
コレステロールが酸化しないためには、ビタミンEやイチョウ・フラボノイドなどが有効でしょう。