心理学の分野にNLPというものがあります。
NLPとは、Neuro Linguistic Programming(神経言語プログラミング)の略です。
1970年代、ベトナム戦争で多くの人が心に痛手を受けたアメリカで、リチャード・バンドラーとジョン・グリンダーが心理学と言語学をもとに体系化した人間のコミュニケーションに関する新しい学問です。
創始者バンドラーとグリンダーは、当時アメリカで非常に優秀だった三人の天才的セラピスト(心理療法家) --ゲシュタルト療法のフリッツ・パールズ、家族療法のバージニア・サティア、そして催眠療法のミルトン・エリクソンの治療を研究し、それをモデル化して創りあげたのが、NLPなのです。
NLPは一口で言うと、「他者の行動を観察して分析し、それを一体化したり修正したりするためのツール」です。
つまりスポーツや教育、ビジネス・経営、芸術や健康管理など、さまざまな分野で優れた成果を出している人と、頑張ってはいるのに成果が出せない人を比較分析すると、そこにどのような違いがあるのか?
また、何をどう修正すれば優れた成果を出している人と同様のパフォーマンスを発揮できるようになるかを研究する分野だという事が出来ます。
そのNLPの心理テクニックの一つにアンカリングという方法があります。
例えば、ラジオから流れてくるある特定の音楽を耳にすると、昔の懐かしかった記憶がいつも思い起こされたりすることありませんか?
アンカリングはこの法則を使って、ある特定の動作や動作を行うと特定の心理状態にする事が出来るというものです。
高所から転落した経験がもたらす高所へ対しての「怖い」という情報イメージや、そこから起こる行動の制限などもアンカリングがもたらす効果と言えるでしょう。
「パブロフの犬」も同じくアンカリングです。
ロシアの生理学者パブロフは犬を使った唾液分泌の実験中にあることを発見しました。
それは餌を運ぶ時の足音や食器の音が聞こえるだけで、犬が唾液が分泌するということです。
つまり、何度も餌を運ぶうちに、餌を運ぶときの 足音(中性刺激)が、唾液を分泌させるというアンカリングになったと言えます。
【アンカリングの方法】
NLPでは基本的なアンカリングは下記の流れになります。
ここでは「喜び」の心理状態を湧き上がらせる例を挙げます。
1.椅子に腰掛けたり、落ち着ける状態を作ります。
2.湧き上がらせたい感情や状態を考えてください。
3.その状態であなたが必要なリソース(過去にすごく嬉しかった事)をイメージして下さい。
4.その状態がピークに達する前にアンカリング(ここではガッツポーズにしましょう)を行います。
5.アンカリングがうまくいったかを、アンカリングを再起動して確かめてください。(この例の場合、ガッツポーズをしてみて、嬉しい感情が込み上げてくるか確認します)
【アンカリングする際の要件】
1.強い感情体験であること
2.アンカーのタイミングがピークの前であること
3.刺激が独特でユニークなこと
4.明確で正確に繰り返すことが可能なこと
以上がNLPのアンカリングの方法なのですが、
タイミングが非常に難しく、成功させるのには何回も行う事が必要になります。
何度もチャレンジできる方はこの方法をお試し下さい。
アンカリングは殆どの場合、偶然の産物です。
なので既存のアンカリングされたものを利用する事が一番簡単です。
次回はその方法にふれていきます。
※頭骨に異常な癒着があったり、体の面で脳内物質が作れなくなっている場合はあまり効果が出ません。
そういうケースの方は、一度当院の頭部調整及び、ストレス経路遮断術を受けてみて下さい。