「病気はキャリアよ」とある方にそう言ってもらったことがある。


私は、精神的な病気になったことを自分にとってマイナスなことと思っていたから、救われるような言葉だった。


「キャリア」と聞くと、自分が、がんばって積み重ねてきた経歴みたいな感じにとれる。

私の中では、名言だ。




実は…

私は、2人目を出産後に産褥期精神病、その3年後に統合失調感情障害、そして去年しんどい時には、不安神経症として医師から診断された。

あと非定型歯痛にもなったことがある。



もう8年経っている今だから思うことがある。


今日はそんなことを書きたい。


この頃、発症した時の状況をシーンとして思い出すことがある。悲しくなったりはしていなくて、当時の自分を、あの時あんなことがあったなー!というように。


私の場合は、眠れない、食べられない。脳がフル回転しているような感じだった。物忘れがあったり、普段できていたことができないこともあった。実家に帰ろうとしてもかばんに何を積めていいかわからない。そんなことが始まりだった。

そして、幻覚や幻聴はなかったのだけれど、妄想があったのだ。


「テレビに盗聴器がつけられている」「お金めあてで動く人がいる」「エジプトのカイロは怒ってんねん!」(エジプトのカイロで火事があった新聞記事を見て)と、今思うとおかしなことをいっぱい言っていたなーと思う。

言っていただけではなく、完全にそう思い込んで、動いていた。盗聴器がつけられてるような気がして部屋にある穴にガムテープで穴を塞いだ。テレビに写っている人と交信し合っているような気がしていた。


そして、友だちにあちこち電話して、「お金めあてで動く人がいるから気をつけて!」みたいなことを言ったことを記憶している。


私は霊に取り憑かれているんじゃないかとも思って、家を飛び出し、ヒッチハイクしてお寺にかけこんだこともある。お寺には一回ではない。あちこち行っている。家族にも本当に迷惑をかけた…。


最終的には、家族が精神科病院に連れて行ってくれた。

私は薬を飲んで、やっと車で眠れたようで、そこから実家で療養していた。


当時の記憶を、ちらっと家族にすると「あんた覚えてるん?」と言われる。全部じゃないけど覚えてる。そして、あの時感じていた気持ちも記憶している。


この頃、思う。


あれは何だったんだろーって。

そうなってしまった自分が悪いように、心が弱いとかストレスに弱いとか、マイナスにずーっと思っていたけど、きっとそうじゃないんだろーなって。


必ず原因があって、起こる。


私の性格や気質もある、産後で言うならホルモンバランスも関係してるのかもしれない。


そこに、ドーーン!と石が乗っかってたんかなーと。石は一個じゃなくて何個も。ストレスという名前の石が。



苦しくて、辛かった。


しんどかった。


死ぬかと思った。



私が死ぬかおばあちゃん(当時寝たきりの祖母が実家にいた)が死ぬか、自分の死期が近づいているような気持ちになった。



あの時、私は何かに怒っていた!


ストレスの原因となることに対して、とにかく怒っていた。でも、なかなかわかってもらえなかった。

だれにもわかってもらえなかった。

それが辛かった。

苦しかった。


どこかに助けを求めたかった。


何とかして楽にしてほしかったのだ。





書いていると涙が出てきた。


でも、なんかスッキリした。


今日はここまでにしよう。





最後に…

現代社会において、心の病気ってだれがなってもおかしくないと思う。

コロナ禍で不安になったり、心を病んでいる人が増えてきているんじゃないかと思える。


どうか、自分を一番大切にしてほしい。食べたくない時は無理に食べなくていい。周りは本人が食べたくないのに、食べ物を勧めないでほしい。食べれるようになったら、食べたいものを食べたらいい。

眠れない時は、とにかくリラックス。眠たくなったら寝ればいい。どうしたらリラックスできるかは自分が一番よくわかっているはず。

どうか周りの人は、話をしっかり聞いてあげてほしい。聞いてもらえたら、すっきりして少しは前に進める。話せる人がいないなら、この人なら聞いてくれそう!という人にあたってみるといいと思う。

どうにもこうにも、しんどい時は、薬を飲む必要がある。薬は対処療法だから、根本的に何がストレスになっているかを見つけ出せたら、そこから一旦離れて、しっかり休んでほしい。ストレスの石を一個でも降ろせたら、だんだんと楽になってくると思う。

そして、自分にあった心の支えになるお守りのようなものを見つけてほしい。今の私には、それが、ウォーキングや読書、家族との時間、ご先祖さまに守られているんだというような感覚だったりする。それを見つけるまでには時間がかかったし、半信半疑だったけど、だんだんと私はもう大丈夫!と思えるようになってきた。

今も、いちようお守りのように薬を持ってるけど、最近は飲まなくても大丈夫。




トンネルは必ず抜ける時が来る。


ただ、人によってトンネルの長さが違う。


トンネルを走っている時は、先が見えない。まっくら。でも、一点でも光が見えたら、もうそこにまっすぐに進むのみ。


一直線。


とにかく、信じる。


出口があると信じる。


ただ、それだけ。