花を愛でる
花に癒される。視覚障害があるが、花を愛でることは出来る。いつかの熟した梅の香りが忘れられない。ねっとりとした甘い蜜を口に含んだように、体中に甘みが広がった。色んな種類のバラを見比べていたら花粉が服に付いたようで、お腹の辺りにちょうちょがとまったのは面白く可愛らしかった。桜はもこもこと咲いていて触りたくなる。花弁が落ちないように優しく触れる。聞いた色を花弁に重ねて想像して楽しむ。タンポポに触れ、菜の花に触れ、春が来たことを体感する。「これ、なぁんだ?」と手渡されて、「つくし!」、「正解!」と遊んで、一緒に触らせてくれる人の優しさにも触れる。鮮やかな春が心の中に広がる。一人で散歩が出来ない代わりに、「誰か」と一緒にこの穏やかな時間を共有するのも決して悪くない。色んなことに興味を持ち続け、与えられた五感をめいっぱい発揮し、感じる心を大切にしていきたい。